最終更新日 2024/10/17
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社外から専門知識・経験を持った人物を顧問として受け入れるベンチャー企業が増えています。
設立して間もない企業が専門的なスキルを持った人材を確保するのは難しく、社外から然るべき人間と契約することで経営課題を容易に解決しやすくなるのです。
また現在は過労死やパワハラなどの社会問題もあります。
内部顧問ではなく客観的な視点で企業にアドバイスできる社外顧問の必要性が高まっているのです。
この記事では、社外顧問の種類とその特徴、顧問契約・業務委託契約、社外顧問の待遇などについて紹介します。
目次
️社外顧問とは?
社外顧問とは、会社の内部ではなく、社外から、高度な専門的な知識に基づき企業経営についてアドバイスする役職です。
社員として高度なスキルを持った人材の確保は、容易ではありません。
しかし、ハイスキルな社外顧問と顧問契約を結ぶことで、人件費を抑えながらベンチャー企業や中小企業の経営課題の改善に役立てることができます。
さらに、社外顧問は企業との雇用関係はないため、客観的なアドバイスももらえます。
経営者は専門的な知識を持つ社外顧問に経営に関する相談ができるため、事業に専念することが可能です。
さらにトラブル発生時にも顧問からアドバイスを受けリスクを未然に防ぐことができるでしょう。
顧問契約は主に業務委託契約となるため、内部顧問を雇用するより費用を抑えることができるのも一つのメリットです。
️社外顧問の主な種類とその特徴
社外顧問の主な種類を見ていきます。
社外顧問と一口にいっても、業務によって種類が分かれています。
経営顧問の特徴
「経営顧問」は企業が抱えるさまざまな課題に対してアドバイスします。
大手企業の役員出身者などが経営顧問になる場合が多いでしょう。
また、経営に精通した弁護士・中小企業診断士や経営コンサルタントがなる場合もあります。
経営戦略/事業戦略・新規事業開発・企業のDX化・人事制度構築など経営顧問からの客観的なアドバイスにより継続的な課題の改善が可能です。
このため、今まで以上に企業の効率性・生産性を高められます。
技術顧問の特徴
「技術顧問」の役割は技術関連の分野で高いスキルと実績を持ち、技術に関するアドバイスをすることです。
IT業界のほか、建築・電気エネルギー・製造分野において優れた知識や経験を持つ顧問が選ばれます。
「技術顧問」を選ぶ場合、卓越したスキルを持つ人材を選ぶのがおすすめです。
アイデアを持っていても自社の人材だけでは実現するのが難しい場合、技術顧問は頼りになる存在となるでしょう。
税務顧問の特徴
「税務顧問」は企業の税務処理について専門的な知見からアドバイスする業務です。
会計税務処理や優遇税制等のアドバイスを受けられるため、正確な税務申告ができます。
会計や税務処理について専門的な理解を深め、必要な手続きについて説明を受けられます。
また、会計処理を適切にできるため、経営分析によって次の計画に活かすことも可能です。
顧問弁護士の特徴
「顧問弁護士」も社外顧問に該当します。
法的見解だけではなく、ベンチャー企業や中小企業に対し経営アドバイスをします。
労務管理に関するアドバイス、取引先との交渉支援、経営計画の立案支援など法的課題について相談可能です。
トラブルが起こった場合、解決方法も教えてもらえるでしょう。
法務顧問の特徴
「法務顧問」の役割は法律関連全般のアドバイスです。
弁護士・司法書士・社会保険労務士などが法務顧問として選ばれます。
法律相談、契約書の作成、社内規定の作成などが主な業務です。
法務顧問を導入することでトラブルを未然に防いだり、迅速に対応できたり、経営者が経営に専念できるなどのメリットがあります。
法務顧問は得意分野がそれぞれ異なるため、自社が依頼したい業務に専門性のある顧問を選定した方が良いでしょう。
労務顧問の特徴
「労務顧問」の役割は人事や労務関連についてアドバイスすることです。
就業規則、労務管理に関する相談、各種保険の手続き、給与計算などに従事します。
労務顧問の導入で労務関連のコスト削減につながり、過労死・パワハラ・セクハラなどの従業員とのトラブルや紛争も未然に防ぐことが可能です。
️社外顧問との契約は業務委託契約が多い
社外顧問との「業務委託契約」は、業務を外部の顧問に委託する場合に結ぶ契約です。
業務委託契約は、会社を立ち上げた場合や社内にスキルを持った人材がいない場合に交わされる契約形態です。
弁護士などに法律関連業務を丸投げする場合などに活用されます。
会社設立間もない企業は準委託契約で業務をアウトソーシングする場合が多い傾向があります。
社外顧問の待遇は?
社外顧問の待遇はどのようになっているのでしょうか?
顧問の待遇は主に労働者の扱いにならない「委任契約」になることが多いですが、雇用形態によって異なります。
社外顧問は会社法で定められた役割ではないため、個別に契約を結び企業と個人で合意を得る形になります。
このため、報酬も契約形態により異なります。
報酬
報酬は、顧問料として月額払いであることが多いです。
顧問にはさまざまな種類があるため、報酬相場も異なります。
経営顧問
経営顧問に依頼する場合の報酬相場は20万円/月〜です。
経営顧問は、経営の根幹に携わる分、仕事次第で大きく業績が変わります。
このため、報酬額もさまざまで責任が重い業務を依頼する場合には、報酬額が高額化したり、もともと忙しい顧問は高額な報酬を要求してくるケースもあります。
【 参考:経営コンサルタントの費用相場とは?契約別の費用感を比較 】
技術顧問
技術顧問は業界により報酬が大きく異なります。
数百万円/月〜数千万円/月と幅広くなっているため、自社の業界相場を調べてから依頼した方が良いでしょう。
持っている技術や依頼する内容によります。
技術顧問を直接捜さなくとも、顧問紹介サービスに、技術顧問を探す場合の想定報酬を質問してみてもいいかもしれません。
【 参考:技術顧問とは?契約料金や報酬相場、役割について 】
弁護士
例えば、社外顧問として弁護士に依頼をしている場合、報酬相場は約5万円/月〜です。
以前は企業と弁護士が契約を交わす場合には約5万円/月の定額であることが多かったものの、現在は自由に報酬を決められるのです。
例えば、裁判で弁護士費用が必要になった場合などは、定額の報酬とは別に費用がかかります。
しかし、顧問契約を結んでいると費用が割安になるケースもあります。
【 参考:顧問弁護士にかかる費用の相場と弁護士費用を抑える方法 】
税理士
税理士の顧問料は企業の年商により異なることが多いです。
例えば、年商が少ない企業だと約1万円/月ですが、年商が億単位の企業の場合、平均の報酬相場は約5万円/月と大きくなるケースです。
しかし、年商ではなく仕事量で報酬が決まる場合もあり、あくまで業界的なトレンドにすぎません。
【 参考:税理士顧問料の相場は月額3万円!安い税理士と高い税理士の決定的な違い 】
️社外顧問と契約する時のポイント
社外顧問と契約する時はどのようなことに気を付けたら良いのでしょうか?留意すべきポイントについて解説します。
仕事の範囲を決める
顧問契約する場合、あらかじめ仕事の範囲は決めておき、契約書には契約の目的と提供サービスを盛り込みます。
顧問契約に含まれていない仕事を依頼した場合、後々トラブルになりがちです。
弁護士に顧問を依頼する場合は訴訟費用が含まれていないため、対応できないこともあります。
事前に仕事の範囲と報酬を決める方が良いでしょう。
別途費用が発生する場合も確認しておくべきです。
責任の範囲を決める
顧問の責任範囲についても契約書で明確にしておきましょう。
アドバイスを受けるだけではなく成果を求める場合は責任の所在をはっきりすべきです。
特に営業顧問のように成果によって報酬が発生する場合は契約書に明記した方が得策でしょう。
出勤頻度のお互いの認識を合わせる
社外顧問は内部顧問より勤務時間が短いといった特徴があります。
週に数日か、月に一度という場合も少なくありません。
出勤日数についてもトラブルを避けるため、明確化しておくことをおすすめします。
待遇面の認識を合わせる
顧問は法律で定められた役職ではなく、任意で設置された役職のため、企業によって待遇も違います。
トラブルを避けるためにもお互いの認識を合わせておきましょう。
まとめ
設立したばかりのベンチャー企業は経営課題を抱えています。
専門的なスキルを持った人材を採用する場合コストや時間がかかるでしょう。
また、現在はパワハラ問題や過労死などの問題もあり、内部顧問より客観的な視点でアドバイスができる社外顧問が必要とされています。
社外顧問を導入することにより、経営についての専門的なアドバイスを受けることが可能です。
社外顧問には経営顧問・技術顧問・弁護士・税理士などさまざまな種類があります。
社外顧問を導入する場合、契約形態は長期契約を前提とした顧問契約と仕事を丸投げできる業務委託契約です。
顧問の報酬は種類によって異なるため、契約前に確認する方が良いでしょう。
社外顧問契約を締結する時の注意点は、顧問の仕事の範囲や責任の明確化です。
自社の経営改善につながるよう、社外顧問を効果的に活用しましょう。
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監修者情報
パートナー企業開発部門を経て、金融業界向けコンサルティングセールス業務に従事。
その後、ヘッドハンティングされWeb系スタートアップ企業の取締役等を歴任。
Webコンサルティングやメディアを運営するアークワードコンサルティング社を創業。