最終更新日 2023/11/15
「起業コンサル」と聞いてどのようなサービスを思い浮かべるでしょうか。
怪しいビジネスをアドバイスするようなサービスを思い浮かべる方もいるかもしれません。
しかし、実際の起業コンサルは、税理士や公認会計士、行政書士などの士業が多いです。
なぜなら、起業コンサルは、個人が会社を設立するにあたっての手続きをサポートしたり、融資を受けるためのアドバイスをしたりするような役割だからです。
会社設立手続きや融資の申請などはかなり複雑であるため、自分自身で進めようとすると時間がかかったり、失敗したりするリスクもあります。
このため、こういった知識がない場合には起業コンサルを活用するのがオススメです。
今回は起業コンサルの業務内容や料金体系、相場などを細かく紹介します。
会社を独立して起業をしようと考えている方や、個人事業主から法人化を進めようと考えている方は必見です。
起業コンサルとは?具体的な仕事内容について
起業コンサルとは、起業に伴う戦略構築や事業プランニング、資金調達、営業、集客などのサポートをしてくれるサービスです。
以下でそれぞれ具体的に解説します。
事業計画書の作成
事業計画書とは、事業に対してどれくらいの利益や売上が見込めるのかを記載した書類です。
会社員の方や個人事業主の方は、本格的な事業計画書を作成する機会が少ないため、うまく作成できないことも多いです。
起業コンサルであれば、多くのビジネスモデルを把握して、売上や利益を計算するために必要な要素を把握していることが多いため、より正確で信憑性の高い事業計画書を作成するための助けになります。
融資に関するサポート
多くの起業家が利用する融資が、日本政策金融公庫が提供する「創業融資」です。
日本政策金融公庫は、日本の中小企業を活性化させるための国家系金融機関であり、民間の金融機関よりも低いハードルで融資を受けることができるのが特徴です。
しかし、創業融資といえど、誰もが審査に通るわけではありません。
また、1度審査に落ちてしまうと半年は申請をすることができないため、事業をスピーディーに立ち上げるためにはできる限り1度で審査を通過するのが理想です。
起業コンサルの公認会計士や税理士を活用することで、事業計画書の精度が上がる上に、日本政策金融公庫との面談にも同行してもらうことができるため、審査の通過率を高めることができます。
そもそも日本政策金融公庫には税理士や公認会計士専用の申請窓口があり、日本政策金融公庫の担当者と繋がっていることも多いです。
また、創業融資を受けた場合、1年に1度は決算を日本政策金融公庫に報告する義務が生じますが、その時の報告書の作成のサポートもしてもらうことができます。
営業・集客のサポート
設立手続きや融資といった、税務、会計面のサポートの他、起業コンサルタントによっては営業や集客のサポートをしてくれる場合もあります。
営業代行会社の紹介や、広告代理店の紹介、実際のマーケティングのアドバイザリー業務など、内容は多岐にわたります。
起業コンサルの料金相場
続いて、起業コンサルを利用する場合の料金体系や、料金相場について解説します。
起業コンサルの料金体系
まずは、起業コンサルの料金体系について解説します。
起業コンサルに限らず、コンサルタントは企業のニーズや資金力によって大きく関わり方が異なるため、多様な料金体系が採用されていることが多いです。
このため、実際にコンサルタントを活用する時には、自社の課題に対して、適している契約方法、料金体系を考えることが大切です。
時間型
時間型とは、1時間〇〇円、といった形で、単価×稼働時間で料金を設定する料金体系です。
最近では、課題を抱える企業を繋げるスポットコンサルのマッチングサービスも登場しています。
お試し感覚でコンサルタントを利用したいと考える場合や、質問したい内容が具体的に決まっている場合にオススメです。
1時間あたり2~3万円程度が相場となっています。
プロジェクト型
プロジェクト型とは、特定のプロジェクトをサポートしてもらう代わりに、プロジェクト単位で報酬を支払う料金体系です。
起業コンサルであれば、事業計画書の作成といったプロジェクトや、創業融資の申請といったプロジェクトがあります。
足元で目指したいゴールが明確な場合には、こうしたプロジェクト型の料金体系を採用するのもオススメです。
月間の費用に換算して考えると、月額30万円から100万円程度が相場となっています。
成果報酬型
このプロジェクト型の料金体系をベースに、より成果に主眼を置いた料金体系が、成果報酬型です。
具体的には、プロジェクトが成功した場合には多額の報酬を支払う一方で、失敗した場合に関しては無償もしくは少額の報酬になる、といった料金体系です。
起業コンサルであれば、創業融資の成功を「成果」として運用するパターンが該当します。
成果報酬型の料金体系はプロジェクトが失敗した時の金銭的リスクを抑えられる一方で、コンサルタント側もリスクをとることになるため、成功した時に相場よりも多額の報酬を支払うことになるケースが多いです。
起業コンサルの料金体系はどのように選択すればいい?
上述の通り起業コンサルには、時間型、プロジェクト型、成果報酬型といった複数の料金体系がありますが、実際の起業時にはどのような料金体系を採用するのがベストなんでしょうか。
それぞれ向いている場合と向いていない場合を解説します。
時間型が適している時
まずは、時間型でのコンサル契約が向いている場合、向いていない場合を解説します。
時間型契約が向いている場合
時間型が向いているケースは、大きく分けて2つあります。
【起業コンサルをどのように活用するか悩んでいる時】
1つが、起業コンサルを本格的に活用しようか検討しているフェーズであり、コストを抑えて試してみたいというケースです。
この場合、いきなり中長期の契約を前提とした料金体系で契約をすると、ミスマッチが生まれてしまったり、課題を整理しきれずうまくコンサルを活用しきれなかったりする可能性があります。
事前に時間型でコンサルティングを受けることでミスマッチの解消や、コンサルタントとのコミュニケーションの慣れに繋がります。
【質問内容が明確で単発である時】
もう1つが、質問したい内容、解決したい課題が明確で具体的にわかっている場合です。
例えば、事業計画書の作成においても、自分自身で作成するスキルがあり、その上で創業融資を通るために懸念がないかアドバイスをもらいたい、といった場合には時間型のコンサルを活用して集中的に質問し、一気に解決してしまうのが早いです。
時間型契約が向いていない場合
質問したい内容、課題が明確でなかったり、事業計画書の作り方や創業融資の進め方などが全くわからなかったりする時には、時間型契約はおすすめしません。
なぜなら時間型契約は基本的には単発のやりとりを想定しているため時間単価が高めに設定されており、コンサルを受けるたびに費用が発生するため、中長期的な目線でみると料金が高くなってしまうことが多いからです。
プロジェクト型が適している時
続いて、プロジェクト型でのコンサル契約が向いている場合、向いていない場合を解説します。
プロジェクト型契約が向いている場合
解決したい課題が明確でなく、事業計画書や創業融資ふくめどのように進めればよいか全くわからない、といった場合には、プロジェクト型でのコンサル契約がオススメです。
なぜなら、中長期的にプロジェクト単位で契約を結ぶことで、一定金額の範囲内で気兼ねなく細かい質問や議論ができるからです。
また、中長期にわたってやりとりをすることでコンサルタントとの信頼関係も築きやすくなります。
プロジェクト型契約が向いていない場合
一方、ある程度自身で起業に関する手続きや融資の手続きを進めることができるノウハウがあり、特定箇所だけコンサルティングを受けたい、といった場合にはプロジェクト型契約だとコンサル料金が無駄になってしまう可能性が高いです。
こうしたケースでは、あらかじめ解決したい課題のポイントを明確化した上で時間型のコンサル契約を利用するのがオススメです。
成果報酬型が適している時
最後に、成果報酬型でのコンサル契約が向いている場合、向いていない場合を解説します。
成果報酬型契約が向いている場合
プロジェクト型同様、中長期的に解決したい課題が明確でなく、経営戦略までまるっと相談したいといった場合には、成果報酬型の契約が向いています。
かつ、成果報酬型であれば成功の度合いに応じて報酬金額が決定するため、失敗した上に多額のコンサルティング料金も支払わなければならないといったリスクを低く抑えることができます。
成果報酬型契約が向いていない場合
一方、成果報酬型契約は、成功確度の高いプロジェクトにおいては向いていません。
なぜなら、成果報酬というリスクがあることから成功した場合の料金相場はプロジェクト型よりも高くなりがちであるため、成功確度が高いプロジェクトに関しては成功報酬を導入することで単にプロジェクト型契約よりも高いお金を支払うだけ、ということになりかねないからです。
起業コンサルの例でいえば、事業の一定の売上確保を成果とした経営戦略の立案などは成果報酬に向いていますが、起業手続きの代行や創業融資のサポートなどは比較的確度が高いため成功報酬が向いていないといえるでしょう。
起業コンサルの時間単価
起業コンサルといっても、時間単価換算した時の料金は様々です。
ここでは、起業コンサルの単価の決め方を紹介します。
コンサル経験・スキル・実績
当たり前ですが、経験やスキル、実績が高い方が時間単価は高くなります。
たとえば行政書士よりも公認会計士の方が資格難易度として高いため、行政書士しかいない起業コンサルよりも、公認会計士のいる起業コンサルの方が単価が高くなりがちです。
プロジェクトの難易度
関与するコンサルタントが同一であっても、プロジェクトの難易度によって単価が変化します。
例えば会社設立の手続き代行よりも、創業融資のサポートの方が単価が高く、また創業融資のサポートよりも経営戦略の立案の方が単価が高いです。
まとめ
起業コンサルとは、怪しいビジネスアドバイザーではなく、起業時に必要な税務・法務・会計周りの手続きや事業プランニングをサポートしてくれます。
起業コンサルの料金体系は時間型、プロジェクト型、成果報酬型など様々です。
ビズブリッジを使えば、複数のスポットコンサルのマッチングサービスの特徴を比較することができるため、まずはビズブリッジで自社にあったスポットコンサルサービスを探してみてはいかがでしょうか。