営業アウトソーシングって何?報酬やメリット・デメリットを解説

最終更新日 2024/11/29

近年、営業活動を委託するサービスとして注目を集めているのが営業アウトソーシングです。
営業活動を行ううえで、社内の人材不足や知識・スキル不足の問題をなかなか解決できない企業も多いです。

そこで、営業アウトソーシングを利用することで営業に特化したプロ人材に委託できるため、即戦力として豊富な知識や知見を活かして業務効率化を図ることができます。

本記事では、営業アウトソーシングのサービス概要や類似サービスとの違い、また導入することによるメリット・デメリットを詳しく解説していきます。
営業活動でお悩みの企業の方は、ぜひ確認してみてください。

営業アウトソーシングとは?

ここでは、近年注目されている営業アウトソーシングとはどのようなサービスかについて解説していきます。

営業アウトソーシングとは

営業アウトソーシングとは、自社の営業業務を外部の専門企業に委託することです。

営業アウトソーシングには営業に関する知識が豊富な人材が登録しているため、導入することにより自社の営業業務において効率化を図り、費用削減や自社でアプローチできなかった顧客の新規獲得など効果的な営業活動が期待できます。

また、企業は自社で営業部門を構築する必要がなく、営業支援の専門企業から必要な営業力を得ることができます。営業アウトソーシングは営業活動全体のサポートを行ってくれますが、ピンポイントで業務を委託することも可能です。

外部の専門企業と契約するため、委託先との営業業務の共有やコミュニケーションを行うことが導入の成功に繋がります。

営業アウトソーシングには、SPO(セールスプロセスアウトソーシング)・営業代行・営業派遣の3つの形態があります。以下で、それぞれのサービスの違いについて解説していきます。

SPO(セールスプロセスアウトソーシング)との違い

SPO(セールスプロセスアウトソーシング)とは特定の営業プロセスの一部を外部企業に委託し、委託先と協業しながら進めていくサービスです。

例えば、電話営業などの見込み顧客を獲得する特定の業務を委託し、業務を最適化することを目的としています。営業アウトソーシングは、営業業務の全体を外部の専門企業に委託することで顧客の開拓から商品やサービスの販売まで外部に任せることを指します。

SPO(セールスプロセスアウトソーシング)の導入は、営業活動の問題を改善したい場合や新しい事業を展開する際に最適です。

営業代行との違い

営業代行とは、営業活動を代行するサービスです。

営業に特化した専門家が揃っているため、即戦力として営業の人材や営業の知識・知見が不足している企業を支援できます。

また、企業が商品やサービスの提供などを行い、営業代行は電話や訪問による商談、そのほか自社の営業力の向上を支援してくれます。

営業代行の導入は、専門家より営業活動の知識やノウハウを習得し、営業の成果を向上させたい企業に最適です。

営業派遣との違い

営業派遣とは、派遣会社より営業スキルを持つ人材を派遣し、自社の営業活動を行うサービスです。営業派遣は依頼した企業の指示を受けて行い、営業アウトソーシングは業務全体を委託するため、委託先が指揮を行います。

営業派遣は企業の営業課題である人材不足を補填するという観点では最適なサービスですが、営業活動の戦略や改善においては営業アウトソーシングに委託することをお勧めします。

営業アウトソーシングのメリット・デメリット

ここでは、営業アウトソーシングのメリットやデメリットをご紹介します。

メリット

コストの削減ができる

自社で営業人材の採用や育成を行う際、人材集客や育成のための教材や機材を揃えるためのコストがかかります。しかし、営業アウトソーシングを導入することで、営業スキルの高い人材を即戦力として活用できるためコストの削減ができます。

また、営業に特化した専門家を必要なときに必要な人数を活用できるため、営業のノウハウや知識を社内に取り入れることができ、人材育成にも繋げることが可能です。

短期間で成果が得られる

営業アウトソーシングには営業に特化した専門家が登録しており、豊富な知識やスキルを活かして効率的に営業活動を行ってくれます。

また、委託先の専門家は営業戦略の立案や顧客獲得のための効果的なアプローチを実施してくれるため、短期間で営業利益の獲得を見込めます。

しかし、短期間で成果が得られたとしても、長期的な視点を持ったビジネス戦略を施策していくことも重要です。

営業のプロの力を借りることができる

自社の営業スキルや人材の不足、新規の顧客開拓などに悩みを抱えている企業は多いのではないでしょうか。

営業アウトソーシングを利用することで、営業に精通したプロが揃っているため、課題解決のための施策や営業戦略の立案などプロの力を借りて営業活動を行うことができます。そのため、人材育成や営業組織の構築に時間をかけることなく、短期間で業務の効率化やコスト削減に繋げることが可能です。

自社の営業人材を強化できる

営業アウトソーシングを導入することで、繁忙期に社内の人材が不足している場合や新規開拓するため企業にアプローチする場合など、必要な時期にスポットで委託することができるため社内の営業力を強化することが可能です。

また、営業のプロ人材は業界や市場に詳しく、営業の知識やノウハウを社内人材にも共有してもらうことができます。そのため、営業活動をプロ人材と協議しながら進めていくことで、社内の営業人材のスキルアップに繋げられるでしょう。

営業アウトソーシングの利用により、プロの豊富な知識を活かして効率的な営業を行うことができるため、企業の競争力を強化できるという点も期待できます。

新規顧客の開拓ができる

営業のプロ人材がこれまで培ってきた実績や経験を活用することで、効果的な営業活動により新規顧客の開拓ができます。

営業アウトソーシングのプロ人材の人脈を使うことで、自社だけではアプローチが難しかった企業と商談を実施でき、新規顧客の獲得に繋げることができます。

デメリット

情報漏洩のリスクがある

業務内容によっては、委託先に自社の顧客情報や商品情報などの重要な情報を預けることになります。委託先の管理をすることは難しいため、情報漏洩のリスクが高まります。

そのため、企業と委託先は業務の範囲や情報管理体制について確認することが重要です。
また、企業は委託する前に機密保持契約の締結を行い、機密情報は社内で管理するなど情報漏洩の対策を行うことが必要になります。

機密情報が伴うサービスや商品については営業アウトソーシングを利用するべきか、慎重に検討することをおすすめします。

赤字のリスクがある

営業アウトソーシングを利用する際にはコストが発生します。そのため、営業成果がでなかった場合や委託先の契約が途中で解約となった場合、依頼した企業側は費用が無駄になってしまいます。

そのため、営業アウトソーシング会社を利用する際には委託先の委託実績や契約内容を十分に検討し、赤字のリスクを抑える必要があります。

営業活動の把握が難しい

営業アウトソーシングは外部企業に営業を委託します。そのため、直接顧客とのやり取りや管理ができないため、営業活動の過程を把握することが難しいというデメリットがあります。

営業アウトソーシングを利用する際には、委託先の専門家が自社のビジネスやサービスを理解しているか、また営業活動の過程をどのように行っていくのかなど確認することも大切です。

委託先に依存してしまう恐れがある

営業活動を外部に委託するため、その委託先に依存してしまう恐れがあります。
依存してしまうと、自社に知識やスキルが身につかなくなるため、営業業務を委託先と協議しながら進めていくことが重要です。

また、委託先が人材不足やスキル不足である場合、自社の営業活動の質が低下してしまう可能性もあるので、営業アウトソーシングを導入する際には、委託先を十分に調査する必要があります。

アウトソーシングの料金形態

営業アウトソーシングは「成果報酬型」「固定報酬型」「複合型」の3つの料金形態があります。ここでは、料金形態について解説していきます。

成果報酬型

成果報酬型は、顧客獲得や売上高の目標達成数に応じて営業代行を行う専門家に報酬が支払われます。

成果報酬型は初期費用や固定費が発生しない場合もあり、企業の費用負担がなく進められる形態ですが、成果に応じて報酬額が設定されるため料金が高めに設定されていることが多いです。

料金の相場は、1件のアポイントにつき1万円〜3万円ほどです。

固定報酬型

固定報酬型は、依頼する業務に対して契約した固定報酬が支払われる形です。

営業活動に必要な費用を事前に把握でき、成果に応じてインセンティブを支払う必要がないため、予算の調整がしやすくなります。しかし、固定報酬のため、営業活動の成果が上がらなかった場合は無駄な費用を支払うことになります。

そのため、自社の営業課題を把握し、最適な専門家を導入する必要があります。

料金の相場は月50万円ほどです。
しかし、依頼する業務内容によっては報酬が異なりますので一度サービス会社に確認してみましょう。

複合型

複合型は、成果報酬型と固定報酬型の両方を合わせた料金形態です。

固定報酬型と同様に決まった報酬を支払い、目標達成数をインセンティブのような形で追加支払いをする形態です。しかし、営業アウトソーシング会社の営業活動の成果によっては費用が高くなってしまうリスクもあります。

複合型の報酬はサービス会社によって異なりますので、導入する際には確認してみてください。

営業アウトソーシングへ依頼時のポイント4選

ここでは、営業アウトソーシングへ依頼する際のポイントをご紹介します。

自社の課題を整理する

営業アウトソーシングを利用する際は、自社の営業課題を整理したうえで活用することがおすすめです。

顧客の開拓や新規案件の獲得、営業利益の向上など目的や課題は多く存在するかと思います。どのように課題を解決していくべきかを明確にし、自社に必要な部分を強化するために営業アウトソーシングを利用することが重要です。自社の営業活動を委託先に任せるだけではなく、自社課題を整理して協議しながら営業戦略を立てることも大切です。

事前に自社の課題を整理しておくことで、最適な営業のスキルや知識を有している専門家を選択することができるでしょう。

費用対効果の高い会社を選ぶ

営業アウトソーシングを検討する際、費用対効果の高い会社を選ぶことが必要です。

選ぶ際には費用が安い点だけではなく、自社が抱える課題に応じた最適な顧問を提供してくれる営業アウトソーシング会社を選択することで費用対効果が得られます。

顧客を獲得するための費用や自社営業における各指標の数値の把握と検証を行い、最小限の費用で最大限の成果を獲得できる営業アウトソーシング会社を選択してください。

自社と同じ業界で実績があるか

営業アウトソーシングの会社には営業に特化した専門家が多数登録しています。自社と同じ業界の営業専門家に依頼することで、業界の動向やニーズを把握しているため営業の業績を伸ばしやすくなります。

しかしながら、自社と同じ業界で実績があれば良いというわけではありません。自社の業界の課題やニーズを理解したうえで営業のスキルや能力を有していることで、効果的な営業サポートを受けることができます。

しかし、登録している専門家は一定の業界や業種しか経験していないため、自社の課題に最適な専門家を見極める必要があります。

実績のある業種や業界、契約期間などを確認したうえで導入を検討してみてはいかがでしょうか。

赤字リスクがないか確認する

営業アウトソーシングを導入するうえで、赤字リスクがないか確認することが重要です。
営業アウトソーシングは、費用対効果が高く成果が期待できる一方、赤字のリスクがある場合もあります。営業の専門家との契約条件が不適切などの原因で赤字リスクが高まります。

外部の専門企業に委託することによる赤字リスクを考慮したうえで、委託する業務などを検討すると良いでしょう。

まとめ

この記事では、営業アウトソーシングについて解説してきました。
営業アウトソーシングとは、営業業務を外部の専門家に委託することです。プロの力を社内に取り入れることで、商品やサービスの売上を伸ばし、社内人材は営業の知識を習得できるため、営業活動の効率化を図ることができます。

営業アウトソーシングを利用する際は、自社の営業課題や委託のメリット・デメリットを把握したうえで最適なプロに委託することが重要です。

営業活動でお悩みの企業の方は、ぜひ営業アウトソーシングの導入を検討してみてください。

この記事の監修者
監修者
アークワードコンサルティング株式会社
代表取締役 中村 慎也
IT業界
人材業界
どちらにも深い知見を持った私だからこそ、エンジニアの気持ちもエージェントの内部事情も熟知しており、より良いエージェントを厳選してご紹介することができます。
大学卒業後、大手外資系IT企業のシスコシステムズ社に入社。
パートナー企業開発部門を経て、金融業界向けコンサルティングセールス業務に従事。
人材業界のインテリジェンス社(現パーソルキャリア社)にて転職サイト事業の立ち上げ・チ―ムマネジメント等を経験。
その後、ヘッドハンティングされWeb系スタートアップ企業の取締役等を歴任。
2018年にこれまでのIT/Web業界と人材業界での知見と実務経験を元に
Webコンサルティングやメディアを運営するアークワードコンサルティング社を創業。

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