最終更新日 2024/10/16
[PR]
様々な企業において、「DX」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
しかし、DXについて理解している方もいる一方で、DXが重要である理由について詳しく理解できていない方もいるでしょう。
実際、多くの企業がDXを掲げてはいるものの、実際に効率的にDX化を進められている企業は少ないです。
この記事では、DXが注目されている理由や、DXを推進する際のポイントについて解説します。
目次
DXとは?
まず、DXの概要や定義について解説します。
DXの概要
DXとは、デジタルトランスフォーメーション(digital Transformation)の略称です。
もともとは、スウェーデンの学者であるエリック・ストルターマン教授によって発明された概念であり、「進化し続けるデジタルテクノロジーによって人々の生活を豊かにしていく」という内容です。
また、「デジタルトランスフォーメーション」の略であるのにDTではなくDXになっているのは、英語圏で「Trans=X」と略す文化があるからであり、特にそれ以上に意味はありません。
DXの定義
DXは、元々の概念としては、「進化し続けるデジタルテクノロジーによって人々の生活を豊かにしていく」という内容です。
一方で、デジタルトランスフォーメーションを直訳すると、「デジタル変革」という内容になります。
つまり、上記の概念と組み合わせると、DXとは、「デジタルテクノロジーによって既存の価値観を覆すような変革を起こすことで、人々の生活を豊かにしていくこと」と定義することができるでしょう。
デジタル化、IT化とDXの違い
続いて、「デジタル化」や「IT化」といった言葉との違いについて、解説します。
「デジタル化」や「IT化」は、あくまで既存の仕組みの一部分をIT技術に置き換えることで、生産性を向上させることを指します。
例えば、FAXの利用をやめてGoogleドライブでの共有に一元化する、というのは「デジタル化」「IT化」に該当します。
一方で、DXは根本的な改善や劇的な変化を作ったり、デジタル技術を活用して新しいビジネスが生まれる場合を指します。
例えば、データで写真を保存する文化を利用し、写真や動画を気軽に共有できるという事は、DX化です。
デジタル技術を使用して、既存の仕組みの一部を置換するのがデジタル化やIT化、根本的なビジネスの変革をもたらすのがDXです。
DXの推進が注目されている理由
では、なぜここまでDXの推進が注目されているのでしょうか。
主な理由は、以下の2点であると考えられます。
経済産業省が推奨
まずは、経済産業省がDXを推奨しているという点です。
背景としては、バブル期以降日本の経済が伸び悩んでおり、GoogleやFacebook、Amazonのような世界を牽引する巨大IT企業を日本から生み出せていない危機感があると考えられます。
経済産業省は、2018年12月にはデジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン、通称DX推進ガイドラインを発表しています。
また、同じく2018年には、「2025年までにDXに対応できていない企業は、IT人材の不足や既存システムのレガシー化に伴って競争力の大きな低下に見舞われる」という懸念をまとめた「2025年の崖」という概念を発表しています。
参考:デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX 推進ガイドライン)Ver. 1.0
新型コロナの影響
新型コロナの影響により、意図しない「DX」が進んだこともDXが注目されることになった背景の一つです。
新型コロナウイルスの影響により、多くの企業が緊急事態宣言中のテレワークを余儀なくされ、テレビ会議システムのZoomやGooglemeetを利用してのやりとりが増えました。
新型コロナウイルスの感染が落ち着き、緊急事態宣言が解除された後もそのトレンドは続き、今や一部のIT企業においてはテレワークやzoomでのやりとりが当たり前という時代が到来しています。
zoomをはじめとしたテレビ会議というデジタル技術が、社会全体の生活やビジネスのあり方を変えた「DX」であると言えるでしょう。
このような状況の中で、テレワークの体制が整えられていない企業は採用競争力が大きく低下するリスクに見舞われており、DXの推進が急務となっています。
DXの推進に取り組む利点とは?
ここでは、DXの推進に取り組む利点を紹介します。
業務の効率化
DXを推進することで、「今まで人の手でやっていたこと」を自動化することができるようになり、業務の効率化が進みます。
これにより、その分の人件費やコストをより生産的な仕事に回すことができるのです。
例えば、人の手でレポートを作っていたのをRPAに任せることによって1日1時間の作業時間が削減されたり、zoom会議によって会議室に移動する時間がなくなったりするなどの例が挙げられます。
多様な働き方を実現
業務が効率化することで、オフィスでしなくてはならない業務も大きく減らすことができます。
zoomがあれば会議室を押さえる必要はなく、契約書のやりとりが電子化されれば印鑑を押すために担当部署に出向く必要はありません。
全ての業務をパソコン一台で完結することができます。
このため、必ずしもオフィスを構えて出社をする、という働き方を採用する必要がなくなるため、オフィス賃料の削減や従業員のモチベーション向上、採用競争力の向上に繋がります。
ビジネスモデルの変革
DXを推進することで、新しいビジネスを創出できる可能性も高まります。
例えば、写真のデジタル化、リアルタイムでの共有という技術を利用して生み出されたのがInstagramをはじめとするSNSです。
Instagramを運営するMeta社は、今や世界有数のIT企業になっています。
システムの有効活用
DXを推進することで、システムを有効活用することが可能です。
例えば、従来の機械では、従業員10人と機械1台で商品を100個生産することが可能だったものが、DXを行うことで機械1台で200個生産することができる、といったケースです。
この場合、DX推進に多少の費用がかかったとしても、中長期的には収益の向上に繋がるでしょう。
DXを推進する上での企業の課題
DXを推進したい企業は多いですが、効率的に推進できている企業は少ないです。
ここでは、DXを推進する上での企業の課題について解説します。
費用がかかる
DXを推進する上での1番の課題は、費用がかかることです。
中長期的にはメリットがあっても、初期費用が多くかかることで、現場の課題感があっても承認を行う経営レイヤーのDXに対する理解が薄くなり、DXは推進されにくくなる可能性があります。
体制の整備が難しい
DXは、一部のデジタル化ではなく、企業全体、社会全体に影響を及ぼすような大きな変革です。
このため、一部の部署でDXを推進しようと思っても、影響範囲が全社に及んでしまうため社内での部署間の体制などを整備する必要があります。
このため、全社的なDXへの理解・協力体制がない場合、上手く体制を構築するのが難しいでしょう。
DXに詳しい人材が不足している
一部のIT企業を除いた企業では、上層部を中心にDXに詳しい人材が不足していることも多いです。
DXに詳しい人材が不足している状態では、DXを推進することはできません。
このため、社内にDXに対する知識やスキルがある人材を取り入れることが必要になるでしょう。
【関連記事】経営課題の見つけ方と解決策をご紹介!フレームワークを活用するには?
DXを推進する際の3つのポイント
最後に、DXを推進する際に大切な3つのポイントを紹介します。
全体の戦略や方向性を明確にする
まずは、会社としてどのような戦略をとり、そのためにどのようなDXを行うべきなのか、という戦略や方向性を明確にすることが重要です。
このためには、経営層が中長期的なDXの必要性を理解し、咀嚼した上で方向性を示すことが大切です。
経営層がDXについて正しく理解することにより、社内全体でDXを効率的に推進することができるでしょう。
社内の体制を整備する
DXを推進するための社内体制を整備することも重要です。
例えば、「DX推進部」という部署がある場合でも、他の部署にDXに対して理解ができていない部長がいた場合、DX推進部の影響が及ばない可能性があります。
このような場合は、DX推進部が社長直下の権限をもってトップダウンでDXを推進したり、各部署でDX推進担当を設置して全社的な理解を深めたりすることが大切です。
DXは、全社に大きなインパクトを与えるからこそ、体制が整備されていないと上手く機能しないでしょう。
IT人材を確保する
DXを推進するIT人材を確保することは、DXを推進する上で非常に有効です。
社内にIT人材がいない場合には、外部の専門家を活用し、社内に取り入れることも大切です。
この際、ITやDXに対する知識やノウハウがある顧問やコンサルタントが多く在籍している外部人材の紹介サービスを利用すると良いでしょう。
まとめ
今後の日本企業が、世界に通用する競争力を身につけるためには、DXを推進することが大切です。
しかし、多くの企業でDXを推進する人材が不足しているのも事実です。
このような場合には、外部人材の紹介サービスを利用し、効率的にIT人材を活用することが有効です。
外部の専門知識のある人材を社内に取り入れることができれば、低リスク、低コストでDXの推進をすることができます。
それぞれのサービスには様々な特徴があるため、複数の外部人材の紹介サービスを比較検討して、決めると良いでしょう。
監修者情報
パートナー企業開発部門を経て、金融業界向けコンサルティングセールス業務に従事。
その後、ヘッドハンティングされWeb系スタートアップ企業の取締役等を歴任。
Webコンサルティングやメディアを運営するアークワードコンサルティング社を創業。