EC事業とは?サイト立ち上げのフローと事業計画書の概要も紹介!

最終更新日 2023/11/15

コロナ禍で巣ごもり需要が一気に増加したことに伴い、EC市場は大きく成長をはじめています。

このため、今まで実店舗で商品を販売していた企業がコロナ禍をきっかけにEC事業を新たに立ち上げる事例が増えてきています。

また、EC事業をはじめることを容易にする様々なサービス、プラットフォームが登場したことで、個人がEC事業をはじめる例も増えています。

しかし、はじめるハードルが下がったとはいえ、EC事業を成功させるハードルは当然高いです。

今回は、EC事業をはじめようと考えている企業の担当者の方向けに、EC事業の立ち上げフローや事業計画書の記載のポイントなどを紹介します。

EC事業の立ち上げフロー

まずは、EC事業の立ち上げフローを解説します。

EC事業の立ち上げフローは、大きく分けて以下の7つです。

重要な点としては、1や2が定まっていない段階で、4のECサイト構築や7の集客・販促を行ってはいけないという点です。

まずは何をどのようなポジショニングで売るかを決めることからスタートしなくてはいけません。

1:商品を決める

まずは、EC事業で取り扱う商品を決定します。

この際、当然ながら商品を適当に選ぶのはNGです。

可能であれば、自社の優位性を活かした商品を選定できるのがベストです。

また、候補となる商品のターゲット層がどのような人で、どれくらいの市場の大きさがあるのかを調査することも非常に重要です。

このようなマーケティング的な視点が、商品選びの段階では重要です。

ただし、いくら売れそうな商品を思いついたからといって、実際にそれを十分な量仕入れることができなければ机上の空論に終わってしまいます。

このため、商品を自社で製造するのか、仕入れるのか、仕入れる場合は十分な量を確保できるのか、など物流の観点からも吟味し、実現可能性の高い商品を選定します。

2:ブランドの方向性を決める

自社の優位性を活かした商品を選ぶことができたとしても、完全なる独自の商品を作ることは非常に難しいです。

多少なりとも競合のいる商品になってしまうことは避けられません。

こうした状況では、ブランドの方向性を決め、他社商品と差別化したメッセージを打ち出すことが重要です。

どのようなコンセプトの元で意思決定を行い、どういったブランディングをおこなっていくかの方向性を事前に擦り合わせておかなければいけません。

3:EC事業計画を作成する

商品とブランドの方向性が決まったら、具体的なEC事業計画を作成します。

市場の大きさや想定の集客規模から売上の推移を算出して、人件費やサーバー代、配送費用、梱包費用などの想定される経費を差し引き利益を算出します。

初期の段階でEC事業計画を作成することで事業の精度を高めることができます。

また、精密なEC事業計画があれば、融資や出資などの資金調達をしやすくなるというメリットもあります。

4:ECサイト構築

実現可能性の高いEC事業計画ができたら、いよいよ実際の運営の準備です。

まずはサービスの根幹となるECサイトを構築します。

この際、全てをゼロから立ち上げるのは推奨できません。

なぜならECサイトのプログラムは複雑であり、ゼロから構築すると多くの費用と時間がかかってしまうからです。

このため、まずは既存のプラットフォームやシステムを活用してECサイトを開設、構築するのがオススメです。

自社の商品にあった運用にもっとも近いシステムを探すことが重要です。

5:オープン前準備

ECサイトが構築できたら、オープン前の準備です。

具体的には、SNSや企業ホームページでの予告、発送担当者のオペレーション確認、サイトの挙動確認などが該当します。

6:オープン

オープン前の準備ができたら、実際にサイトをオープンします。

オープン前に準備をおこなっていたとしても、複雑なECサイトではトラブルが起こりやすいです。

サイトのバグや発送ミス、情報管理の不具合など、様々なトラブルに対応し、被害を最小限に食い止めなければなりません。

オープンからサイトが安定するまでは、トラブル対応できるようにカスタマーサポートやサイト修正の人員を多めに確保しておくことが大切です。

7:集客・販促・改善

無事に商品を安定的に売れる状態が構築できたら、さらなる売上の拡大、認知の拡大を目指して集客や販促を行います。

この際、事前に決定したブランドの方向性、コンセプトとずれないように設定することが大切です。

たとえば、高級路線で打ち出していきたい商品に対して、利用してもらいたいからといって大幅な初期セールをおこなって売り出す場合、初期の売上は発生するものの「安売りしているブランド」のイメージがついてしまい、中長期的にブランド戦略が失敗に終わってしまいます。

このように、ブランドの方向性、コンセプトと相反する集客・販促を行わないように注意しつつ、日々改善を行いながら、SNSでの告知やネット広告の配信などを行います。

ECサイトの運営業務の分類

EC事業を立ち上げた後は、継続的に安定した運営を実現しなければなりません。

ECサイトの運営業務は、大きく分けて『フロント業務』『バックエンド業務』の2つが存在します。

フロント業務

フロント業務とは、バナーなどのデザイン制作、広告、SEO対策、商品・販売施策、分析といった商品を売るために行う業務です。

顧客との接点を作る業務であるといえるでしょう。

バックエンド業務

一方、バックエンド業務は、フロント業務とは反対に、顧客に見えないところでECサイトの運営を支える業務です。

具体的には、ECサイトで受けた注文の品を発送する、お問い合わせやクレームといったお客様対応、電話注文の受付、商品の在庫管理といった内容が該当します。

EC事業の立ち上げに欠かせない事業計画

EC事業を立ち上げる際には、まず事業計画書を作成することが欠かせません。

事業計画書は提出が義務づけられているわけではないですが、融資などを行う際は必要になるケースは多いでしょう。

事業の実現可能性を事前に確かめて、利益の出ない事業を立ち上げてしまうリスクを軽減するのに役立ちます。

銀行から資金を調達する際や、取引先と交渉するときにも有効なツールです。

ECサイトを立ち上げるメリットと運用までのスケジュールが、分かりやすく伝わるものにすると良いでしょう。

事業計画書に記載すること

では、一体ECの事業計画書にはどのようなポイントを盛り込めばよいのでしょうか。

事業のビジョンや理念

事業を立ち上げる際においては、当然ながら売上や利益がもっとも重要です。

しかし、事業を拡大する際に資金調達や人員採用をする際、投資家や銀行、採用候補者がチェックする点は売上だけではありません。

なぜこの事業をやる必要があるのか、この事業を通してどのような世界を実現したいのか、といったビジョンや理念です。

こうしたビジョンや理念への共感があってこそ、スムーズな資金調達や採用につながるといえます。

まずは、なぜ自社でEC事業を立ち上げる必要があるのか、EC事業を通じて何を成し遂げたいのかを明確に設定することが大切です。

販売する商品やサービス(ブランド)

販売する商品やブランド戦略を記載します。

具体的には、なぜ選定した商品で利益をあげられるのか、どのように在庫を確保するのか、競合とどのような差別化ポイントをもうけるのか、といった点が明確だとベストです。

担当者

EC事業を立ち上げ、運用するにあたって必要な人員、スキルを洗い出します。

この際、今の人員で足りなければ新規採用も視野に入れる必要があります。

立ち上げ途中で人員不足に陥ってしまうとスムーズな立ち上げができなくなってしまうため、事前に見積もっておくことは非常に重要です。

計画の流れ

EC事業において、顧客体験や物流がどのような流れで巡回していくのか、といった全体の流れを書き出します。

こういった流れを書き出す中で、無理のないフローがないかどうかを洗い出すことができます。

費用

全体の計画の流れや必要な担当者を洗い出した後、EC事業にかかる全てのコストを見積もります。

具体的には、ECサイトの構築費用、商品の仕入れ費用、販売促進費用、物流費用、運営にかかる人件費などが該当します。

資金の調達と運用モデル

想定の費用を算出したのち、自社の財務状況などを加味して、費用をどのように調達する予定かを明確に決めておきます。

たとえば費用の2割は自社の余剰資金でまかない、残りの8割は金融機関から借り入れる、などです。

こうした資金の調達の方法は最善手を探すのが非常に難しいため、外部のコンサルタントに相談しながら進めるのも1つの手です。

収益の獲得方法(損益計算書)

算出した費用に対して月々の想定される売上を出し、利益が発生するポイント、すなわち損益分岐点を明確にします。

たとえば初期費用が1000万円で、月々の利益が100万円であると見込むことができる場合、10ヶ月で事業が黒字に転化する、すなわち損益分岐点を超えるということがわかります。

EC事業を立ち上げする際によくある失敗

EC事業を新しく立ち上げる際に、EC事業の知識がないことが原因で失敗してしまうことがあります。

このため、EC事業立ち上げの際によくある失敗を2つ挙げます。

デザインを最優先にした

デザインを第一にECサイトを作った結果、サイトはオシャレになったが、売上が下がってしてしまうことがあります。

これは、サイトの外見を優先に考えたことで、「見やすさ」や「わかりやすさ」などの利便性が疎かになってしまうのが原因です。

EC事業において、サイトはただきれいでオシャレなだけでは売り上げには繋がらないので、注意してください。

ベンダーに丸投げした

全くITやEC事業のノウハウがない企業は外部ベンダーに丸投げすることがよくあります。

外部ベンダーに「EC事業を行いたい」とだけ伝えた結果、構築したECサイトの使い勝手が悪く、改良を続けたが高額な費用が発生してしまうこともあるので注意が必要です。

EC事業立ち上げには、専門的な知識が必要になり、社内だけの人材だと難しいです。

また、EC事業をベンダーに丸投げしてしまうと、なにかトラブルになった際に対応ができなくなってしまいます。

このため、外部からEC事業に詳しい専門家を招き入れるのが得策でしょう。

まとめ

今回は、EC事業の立ち上げの流れを開設しました。

EC事業の立ち上げにおいて、全体の必要な流れを把握するのはそこまで難しいことではありません。

一方、上記の流れを実際にスムーズに実行するのは難易度が高いというのも事実です。

特に、社内にEC事業に詳しい人材がいない場合にはハードルが高いでしょう。

こうした場合は、顧問などの外部人材を活用するのもオススメです。

サービスによっては短期間で必要に応じて特定分野のプロフェッショナルを活用できるため、EC事業に詳しい顧問を活用することでスムーズな立ち上げが期待できます。

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