最終更新日 2024/10/23
飲食店経営や飲食業のビジネスを成功させるカギは「飲食コンサルタント」です。
コロナ禍によって、外食業の基本は変わりつつあります。
宅配専門で販売するゴーストレストランやテイクアウト戦略、EC展開など、絶えず新しい考え方を要求される変化に適応するうえで、サポートしてくれる存在が飲食コンサルタントです。
本記事では、飲食コンサルタントとは何かから、飲食コンサルタントの業務内容や飲食コンサルタントの料金相場、飲食コンサルタントを選ぶポイントについて解説します。
目次
飲食コンサルタントとは?
飲食コンサルタントは、飲食店を経営するうえでのアドバイスを行うコンサルタントのことを示します。
飲食コンサルタントの元々の経歴は、店長やスーパーバイザー、料理長、飲食メーカーなど様々です。
さらに、その形態も様々であり、個人でフリーランスとして活動している場合や、コンサルタントを集めて派遣する企業として活動している場合などがあります。
また、飲食コンサルタントは業務内容などによって、特化型コンサルタントと総合型コンサルタントの二種類に分けられます。
特化型コンサルタント | レシピのみ、集客のみ、ブランディングのみなど特定分野においてのみコンサルティングが可能なコンサルタントのこと。 |
総合型コンサルタント | 飲食業に関する包括的なコンサルティングが可能なコンサルタントのこと。 |
特化型コンサルタントの場合の役割
レシピのみ、集客のみ、ブランディングのみなど特定分野においてのみコンサルティングが可能なコンサルタントを、特化型コンサルタントと呼びます。
特化型コンサルタントの場合の役割は、特定の分野において依頼者が求めるレベルのクオリティの成果やアドバイスを行うことです。
特定の分野や問題に特化して解決したり、弱点を補うことを手伝ってくれたりといったことも業務に含まれます。
総合型コンサルタントの場合の役割
飲食の総合型コンサルタントの役割としては、業績を上げるための提案や実施上のアドバイスを行うことが挙げられます。
つまり、飲食店を経営する中で足りないノウハウの中で、あらゆる要素を補完する役割だと言えるでしょう。
飲食コンサルタントの業務内容について
コンサルティング
飲食コンサルタントの業務内容は主にコンサルティングです。
特化型コンサルの場合
飲食店が抱える課題に対してスポットで向き合うタイプのコンサルタントのことを示します。
その業務内容としては以下のようなものが例として挙げられます。
・内装
・商品開発
・EC展開
・戦略立案
総合型コンサルの場合
特定の業務だけでなく、総合的に経営に対して向き合うタイプのコンサルタントのことを示します。
時には、出店計画から店舗企画など、事業単位で丸ごとコンサルティングする場合もあります。
レシピプロデュース
業務内容としては特化型のコンサルタントに近いですが、商品開発やレシピプロデュースなどもコンサルタントの仕事になる場合があります。
開発にかかる人件費や時間、業務の難易度によっても変動しますが、具体的な金額としては1品5万~10万円程度です。
飲食コンサルタントの料金相場
飲食コンサルタントの料金相場と一概に言っても、その金額はコンサルティング会社に依頼するか、フリーランスのコンサルタントに依頼するのかによっても異なります。
他にも、依頼の内容や規模、解決にかかる時間や必要人数によっても変わりますが、プロジェクト単位であれば、相場は150万円前後が目安です。
一例として、とあるコンサルティング会社とフリーランスの料金を、以下の表にまとめます。
また、次にシチュエーション毎に相場を解説します。
【カフェ専門コンサルタント企業の場合の例】
業務内容 | 料金(交通費及び調査費別途) |
---|---|
事業計画書作成サポート | 100,000円+税 |
カフェ開業コンサルティング | 470,000円+税 |
立地調査(1ヵ所) | 40,000円+税 |
店舗コンセプト作成コンサルティング | 160,000円+税 |
ビジネスモデル作成コンサルティング | 180,000円~+税 |
カフェ看板メニュー開発(1品) | 100,000円+税 |
6ヵ月Webマーケティングサポート | 180,000円~+税 |
ワードプレス初期設定サポート | 20,000円+税 |
スポットコンサルティング | 80,000円~+税 |
【フリーランスの場合の例】
サポート内容 | 料金 |
---|---|
顧問契約 | 200,000円/月 |
開業サポート | 1,200,000円 |
既存店サポート | 1,000,000円 |
リピート依頼 | 500,000円 |
制作系(メニュー、チラシ、ホームページ等) | 別途料金 |
参考:料金について|飲食店コンサルタント 河野祐治オフィシャルサイト
例1. 自社のブランド商品をEC展開することを依頼したときの場合
アドバイスをもらうだけでなく、ECに関係する業務の代行まで含めて依頼するとなると、月々30万〜50万円ほどが料金相場となるでしょう。
参考:ECコンサルティングの料金相場・費用を解説!選び方のポイントも紹介!
例2. 飲食店を開業コンサルティングに依頼したときの場合
開業に関してコンサルティングやサポートを受ける場合は、上記の表を参考におよそ120万〜150万円ほどが料金相場となるでしょう。
飲食コンサルタントに依頼するメリット・デメリット
メリット① 経営のノウハウが身に付く
コンサルタントのアドバイスを取り入れる中で、コンサルタントとの契約が終わったあとも、ノウハウという形で自社の利益として残るでしょう。
そのため、知識やノウハウなどの社内リソース以上の成果を得られたり、新しい分野に挑戦する際に必要な情報を得たりと、コンサルタントの経営ノウハウを使って自社の能力以上の利益を出しつつ、社内リソースが増えることがメリットと言えます。
また、フランチャイズや海外展開などを目標とする際には特に効果的です。
メリット② 事業戦略を見直すことができる
店舗の経営や売上の向上を目標としたときに、結果が出るかどうかは事業戦略が基となるでしょう。
そのため、店舗が予定している事業戦略が適切かどうかを見直すことは重要です。
コンサルタントのアドバイスは、そのような事業戦略の見直しに役立ちます。
それぞれの例を挙げてみましょう。
戦略を見直す際の項目は主に以下です。
コンセプト
お店のコンセプト作りは店舗運営の中でも重要な作業です。
こんなお店を作りたいというイメージを持って店舗を作る中で、イメージ通りに作ることは素人には難しいものです。
そこで、コンサルタントを活用することでイメージの方向に軌道修正することができるでしょう。
店舗立地
お店の場所は売上や戦略に直結する要素です。
そんな店舗選びもコンサルタントの力を借りることで適切な場所選びが行えるでしょう。
例えば、繁華街の中であれば迷うことは少ないかもしれませんが、少し人通りの少ない場所に複数の候補がある場合などに、コンサルタントのアドバイスを通して納得のいく場所選びができるようになります。
売上UPにつながるメニュー
飲食店のメニューの原価率は3割が目安とされています。
しかし、経験が少ない状態で、原価率を考えたメニューを考えることは難しいでしょう。
そこで、プロによって考えられたメニューを用いることで、原価率3割程度を実現することも可能です。
その内容もただ安いものを作るのではありません。
原価が売値を越えている赤字商品や、原価率1割程度の商品など、バランス良くメニュー作りをすることで、総合的に原価率を抑えて売上UPにつながります。
参考:飲食店にコンサルタントは必要?役割や料金相場、メリットなど解説
事業展開
1店舗のみの営業であれば、個人の経営でも問題はないでしょう。
しかし、多店舗展開や、フランチャイズ展開など、事業展開を視野に入れる場合は、飲食コンサルタントに協力してもらうことは重要でしょう。
フランチャイズとは、加盟店が加盟金を支払うことで本部と契約を結び、商品やサービスの販売権を得られるシステムのことを示します。
流行が早いペースで変わる現代社会において、飲食店を経営するには最先端の流行や経営の知識に詳しいコンサルタントのアドバイスは経営を続けていくうえで欠かせないと言えるでしょう。
デメリット ①相性が合わないと机上論や理想論を言われて苦痛になる
中には、誰でも言える当たり前のことをコンサルティングの話の主としたり、売上や利益を度外視した理想論ばかり話したりするコンサルタントもいます。
経営のうえで成果に繋がらず苦痛に繋がる場合があります。
依頼を行う前にコンサルタントを見極めるようにしましょう。
飲食コンサルタントを選ぶポイント
飲食コンサルタントを選ぶ際には気を付けた方が良い点が何点かあります。
コンサルタントを活用するうえで、支払う報酬に見合った成果が得られる人材かどうかを見極めることが大切です。
飲食コンサルタントを判断する際に意識すると良いポイントについて説明します。
今までの実績や経験を確認する
コンサルタントの過去の実績や経験について確認しましょう。
コンサルタントに依頼するときには、クライアントが抱えた問題を解決してもらうことを期待しますが、そのための能力があるのかどうかが重要になります。
過去にも似た案件で成果を上げていれば、コンサルタントの信頼へと繋がるでしょう。
成功させる具体策がある
元々の職業や成功例を確認し、依頼を成功させる展望が見える人かどうかを判断しましょう。
過去の事例をそのまま真似したような現実的でない話や、具体的な内容がなく、現実的でない話ばかりするコンサルタントでは、問題の解決に繋がらないことも考えられます。
店舗のポリシーと合っている
売り上げを優先するのか、顧客満足を優先するのか、従業員の待遇を優先するのか、そういったクライアントの方針やポリシーが一致するコンサルタントを選ぶことが重要です。
ポリシーの内容や、コンサルタントの提案する内容はさておき、両者の方向性が違うままで戦略を進めると失敗する可能性が高いです。
費用が予算内である
コンサルタントの費用には定価のようなものは存在せず、基本的にはコンサルタントの要求によって決定します。
有名な人や実績のある人ほど料金は高くなりますが、高い料金の人ほど良いコンサルタントということはありません。
また、コンサルタントの料金に対して売り上げも比例するという保証もありません。
そのため、予算にあったコンサルタントに依頼をして、クライアントのお店の採算に合った戦略を選ぶことが重要でしょう。
直接会った印象や直感が合う
また、直接会った時の印象や直感といったものも重要です。
コンサルタントも人間であるため、クライアントによって相性があります。
最終的には、直接やり取りをした中で、信頼できる人や話が魅力的な人を選ぶことが成功に繋がるでしょう。
まとめ
今回は飲食コンサルタントについて解説しました。
最後にもう一度ポイントをまとめると、飲食コンサルタントは業務内容によって特化型と総合型に分けられ、料金相場は150万円前後でした。
しかし、ケースによって費用は大きく変動します。
飲食コンサルタントはコンサルタントの質によって効果が大きく変わります。
良いコンサルタントに依頼することが出来れば利益や人気など大きなメリットとなりますが、悪いクライアントに依頼すると安くない費用に対して効果が得られないといったデメリットになります。
良いコンサルタント、自分に合ったコンサルタントを見極めて、飲食コンサルタントを活用しましょう。