最終更新日 2024/10/16
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経営について行き詰まりを感じたときの助けとなるのが経営顧問です。
経営顧問を登用することによって、自社にはないノウハウを獲得することができ、経営の安定化・成長に繋げることができます。
しかし、経営顧問に関して具体的な役割や契約体系など、詳細を知っている人は多くないというのも事実です。
今回は、経営に対して課題感があり、経営顧問の導入を検討しているという企業の方向けに、経営顧問の概要や料金相場、メリット・デメリットなどについて解説します。
経営顧問に関して詳しく知りたい企業担当者の方は必見です。
️経営顧問とは?
経営顧問とは、文字通り「経営」に関する「顧問」です。
顧問とは、企業の経営者層を特定の専門領域からサポートするアドバイザーのことを指します。
つまり、経営顧問は、経営に関するアドバイザーであり、企業経営の意思決定、問題解決をサポートするための人材です。
特徴としては、あくまで経営顧問はアドバイザーであり、会社経営に関する意思決定は持っていない点です。
このため、経営顧問がアドバイスを行い、最終的には企業の取締役などの経営陣が意思決定をするという流れが一般的です。
ただし、経営顧問の中には過去企業の取締役や社長が退任後顧問に就任するというケースもあり、こうした場合には決定権を持っている取締役が顧問の元部下というような場合も多いため、事実上顧問が経営の意思決定を行ってしまうというケースも存在します。
しかし、一般的にはあくまで経営顧問は経営に関するアドバイス、コンサルティングを行うという立ち位置です。
️経営顧問の料金相場
続いて、経営顧問を登用する場合の料金の相場感についてお伝えします。
経営顧問の料金相場は、顧問契約、時間契約、成果報酬などの契約体系の違いや、訪問回数などのコミット度合い、対象企業の従業員数、経営顧問本人のスキル、知見、経験などによって大きく異なります。
以下はあくまで目安になります。
【経営顧問の料金相場】顧問契約の場合
顧問契約とは、委任契約や業務委託契約を結び、毎月特定のタイミングで企業の経営者と議論をしたり、経営会議に出席するなどのコミットをする代わりに、毎月特定の金額の報酬を払うというものです。
大枠の訪問回数などは契約時に決定しますが、あくまで時間単価ではなく、企業側が想定している成果に対して毎月お金を払うというものになります。
従業員の数によって企業が経営顧問に支払うことのできる金額や、経営の難易度も異なります。
一般的には週1回程度の訪問で以下のような料金相場になります。
- 社員数10名未満の場合:月額3万円〜
- 社員数10〜50名の場合:月額5万円〜
- 社員数50〜100名の場合:月額7万円〜
もちろん、100名以上の大企業の経営顧問であったり、訪問回数が多い場合にはその限りではありません。
また、経営顧問の中には、中小企業診断士のような、経営に関する国家資格を保持している場合もあります。
こうした明確にスキルのある経営顧問の場合は、顧問契約の料金相場も高くなります。
「データで見る中小企業診断士」によると、中小企業診断士の顧問料金の平均は13万2千円です。
【経営顧問の料金相場】時間契約の場合
時間契約とは、時給で経営顧問が常駐するパターンの契約形態です。
経営顧問という立ち位置で時間契約で常駐するパターンは少ないですが、より経営にコミットする経営コンサルタントという立ち位置であれば、時間契約は一般的です。
時間単価は顧問、コンサルタントのスキルによって当然異なりますが、大手のコンサルティング会社から派遣されるコンサルタントであれば、1時間あたり5万円〜10万円の単価が相場となっています。
【経営顧問の料金相場】成果報酬の場合
成果報酬体系の場合、経営顧問が出した結果に応じて、売り上げの〇〇%といった具合で報酬を支払うことになります。
この場合、求められる成果によって相場は異なるため、一概に料金相場を出すことは難しいです。
そもそも、成果報酬の料金体系で契約する経営顧問は非常に少ないのが特徴です。
理由としては、経営レイヤーの場合、成果を定量的に示すのが非常に難しく、トラブルの元になりやすいからです。
例えば、営業の成果報酬の場合、成約件数につき〇〇円、といった形でわかりやすく成果を定量化することができます。
エンジニアの場合も、納品物につき〇〇円、といった形式をとることが可能です。
一方で、経営顧問の場合、どうしても売り上げや利益そのものを成果報酬算出のための指標とせざるを得ません。
しかし、売り上げや利益は経営顧問の実力とは関係のない外部の変数で大きく上下することがあるため、経営顧問の成果による部分を明確に測ることが難しいのです。
このため、基本的には経営顧問を登用する場合、顧問契約もしくは時間契約で契約を結ぶのが一般的になっています。
️経営顧問の契約を結ぶメリット
続いて、経営顧問と契約を結ぶメリットを紹介します。
他社で実際に上手くいった知見を活用することができる
経営顧問は、一般的には過去複数の企業を経営して成功に導いた経営者や、経営コンサルタントとして多くの企業の再生に関わってきたプロフェッショナルが多いです。
このため、自社の経営に、他社で実際に上手くいった知見を活用することができるのが大きなメリットです。
自社に溜まったノウハウだけでなく、他社のノウハウを上手く使うことで、経営を大きく成長させることができる可能性が高まります。
経営の改善策や進むべき方向についてアドバイスしてもらえる
中小企業やベンチャー企業の経営者にとって、過去複数の企業を経営していたり、複数の企業の再生に関わってきた経営顧問は、いわば経営に関する先輩です。
こうした経験豊富な顧問から、経営の改善策や進むべき方向性についてアドバイスをもらい、議論ができるというのは非常に大きなメリットであるといえます
専門的な知識を得られる
経営顧問の中には、特定の事業領域に関して非常に専門的な知見を持っている人材も多いです。
例えばエンジニア出身の経営顧問であれば、技術的な知見や、エンジニア組織の構築といった観点からもアドバイスをもらうことができ、専門的なノウハウを社内に蓄積し、会社運営に活かすことができます。
企業の悪しき体質を改善できる
非常に優れた経営者であっても、一つの会社を経営している以上、どうしても視野が狭まるというリスクがあります。
冷静に判断すべきような局面であっても、どうしても私情の入った意思決定をしてしまうこともあるでしょう。
こうした時、直接的に会社と利害関係のない経営顧問がいることによって、客観的な視点を取り入れた意思決定ができるというメリットがあります。
幅広い相談に対応できる場合がある
経営顧問は、経営を中心に非常に幅広い専門性を持つプロフェッショナル人材です。
このため、経営に関わらず、幅広い相談に対応できる経営顧問は多いです。
また、経営顧問の幅広い人脈を活かして、特定の領域のプロフェッショナルにつないでもらえることもあります。
このように、経営だけでなく幅広いノウハウや人脈を得られる可能性があるというのも経営顧問を登用するメリットです。
️経営顧問の契約を結ぶデメリット
一方、経営顧問との契約もメリットばかりではありません。
ここでは、経営顧問と契約を結ぶデメリットを紹介します。
経営顧問の人選ミス
「経営」というスキルは、特定のプログラミング言語への習熟などと違って、極めて可視化が難しい複合的なスキルです。
このため、一見相性の良さそうな経営顧問も、実際に採用するとミスマッチが発覚することがあります。
こうした場合、経営顧問との契約料金が無駄になってしまいますので注意が必要です。
ただし、委任契約であれば、すぐに契約を終了することができます。
経営者の経営顧問に対する過度な依存
経営顧問は、あくまでも経営者のアドバイザーであり、最終的な意思決定をするのは経営者です。
しかし、経営顧問は往々にして経営者よりも経験が長い場合が多いので、経営者が経営顧問に依存してしまうリスクがあります。
最終的に社員や他の経営層の意見は一切聞かず、経営顧問の意見を全て鵜呑みにして意思決定をするようになってしまうと、会社組織に対して大きな不信感が蔓延することになるため注意が必要です。
見合わない報酬での経営顧問契約をしてしまう可能性がある
上で述べたように、経営顧問はスキルが可視化しづらい領域です。
このため、契約時点で適切な報酬を見定めることができず、見合わない報酬での経営顧問契約をしてしまうことがあります。
特にキャッシュフローの乏しい中小企業ではこうした顧問契約料が致命傷になる可能性があり、経営顧問契約をしたことでかえって経営が悪化するという事態に陥りかねません。
️まとめ
経営顧問とは、企業の経営上の改善点を見つけ、解決方法についてアドバイスし、専門的なノウハウやアイデアを提供する人材です。
適切な経営顧問を登用することができれば、経営体制の強化、組織の改善、事業開発など様々な領域で大きなプラスの影響をもたらしてくれる存在になることでしょう。
このため、経営に悩む企業の経営者の方は、一度経営顧問の登用を検討してみるのがオススメです。
ただし、人選を間違えるとコストがかさむだけになったり、最悪の場合組織崩壊や経営悪化に陥る可能性があるため、契約体系や契約料金、経営顧問の探し方には注意が必要です。
監修者情報
パートナー企業開発部門を経て、金融業界向けコンサルティングセールス業務に従事。
その後、ヘッドハンティングされWeb系スタートアップ企業の取締役等を歴任。
Webコンサルティングやメディアを運営するアークワードコンサルティング社を創業。