最終更新日 2024/10/09
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重要な役割を果たす社外取締役と顧問ですが、社外取締役と顧問というワードは聞いたことがあっても具体的な役割や立ち位置についてあまりご存知でない方が大半ではないでしょうか。
また、社外取締役と顧問の違いについて疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、社外取締役と顧問の違いやよくある疑問について、また導入するにあたっての費用について詳しく解説します。
社外取締役や顧問の導入を検討中の企業の経営者や採用担当の方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
目次
社外取締役と顧問の違いとは?それぞれの会社での立ち位置について解説
社外取締役とは、会社との間に利害関係のない外部人材から選任される取締役のことです。
一方、顧問とは特定の業界で経験を積んだプロ人材のことです。
社外取締役と顧問は、仕事内容と立ち位置が異なります。
ここでは、社外取締役と顧問はそれぞれどのような役職なのかについて詳しく説明していきます。
社外取締役
社外取締役の役割や立ち位置についてご紹介します。
社外取締役とは?
社外取締役とは、企業と利害関係のない外部の人材から選任される取締役のことです。客観的な立場から経営に関する的確なアドバイスを行ったり、企業のさまざまな不正を防止するための監視役として重要な役割を担っています。
社外取締役は幅広い分野の知識や経験を有しているため、経営課題の解決へ導くことで企業価値の向上に繋げることが可能です。
また、2019年の会社法改正により、上場企業は社外取締役を2名以上選任することが義務化されています。
会社での立ち位置
社外取締役は取締役会で議決権を持っており、経営陣に対してアドバイスをする役割を担っています。そのうえ、企業の業績やコンプライアンスなどの監督も行っている重要な存在です。
顧問
顧問の実際の役割や立ち位置についてご紹介します。
顧問とは?
顧問は豊富なビジネス経験や専門知識を持っており、企業経営の補佐やアドバイス、特定の任務を行う役職です。アドバイザーやブレーンと呼ばれる場合もあります。
顧問には「内部顧問」と「外部顧問」の二種類あります。
「内部顧問」とは、引退後の社内役員や関係者が顧問をすることです。そのため、内部顧問は専門知識に加え、社内業務の経験やノウハウを持っています。会社内部を理解しているため、不測の事態が発生した場合でも現場の現状に沿った適切なアドバイスができます。
「外部顧問」とは、専門的知識を持った外部のプロ人材のことです。外部顧問(プロ人材)を活用することで、社内では解決が難しい課題に関する助言を受けることができます。経営課題の目的に応じて、専門的な知見と経験に応じたアドバイスを行うのが特徴です。
顧問の導入は会社法上定められていないため、導入するかどうかは企業の自由になります。
会社での立ち位置
顧問は社長や取締役とは異なり会社法上定められている役職ではないため、会社での明確な立ち位置はありません。あくまでアドバイザーとしての立ち位置であるため、企業の財務状況や事業の方向性などを決める立場ではありません。
社外取締役と顧問が注目されている理由
社外取締役と顧問は、豊富な知識や経験を活かして企業の発展や成長に貢献してくれることから注目されています。
また、外部人材の社外取締役と顧問は、利害関係なく客観的な立場から経営課題に対してアドバイスを提供してしてくれます。そのうえ、企業の方向性を検討する際、経営陣に意見を出すことができます。
そうすることで企業の透明性を高め、結果的に企業のイメージも高めることができます。
社外取締役と顧問を導入するメリット・デメリットを解説
社外取締役と顧問の詳細についてご説明してきました。
そこで、社外取締役と顧問を導入することによるメリットやデメリットについて知りたい方も多いのではないでしょうか?
ここでは、社内取締役と顧問を導入するメリット・デメリットについてご紹介していきます。
社外取締役を導入するメリット
ここでは、社外取締役を導入することでのメリットを説明していきます。
コーポレートガバナンスの強化を図ることができる
コーポレートガバナンスとは、企業が社会的責任を果たせているかどうか経営を監視する仕組みのことです。
社外取締役は、経営方針や戦略を策定する際に経営陣を監視する役割を担ってくれます。社外取締役から的確なアドバイスを受けることで、会社の不正行為や不祥事の防止、また企業リスクなどを抑えることが期待できます。
当該会社と利害関係のない人材が加わることで経営の適正性や透明性を確保でき、公正な経営活動を進めていくことができます。
コーポレートガバナンスは企業が長期的に持続可能な経営を行うために必要不可欠であり、コーポレートガバナンスの強化を図ることで企業価値の向上に繋げることができます。
客観的意見が得られる
外部の人材である社外取締役は豊富な知識やノウハウを持っているため、客観的な視点から企業が抱えている課題の改善案を提案することが可能です。
また、社内では思いつかなかったアイデアを生み出したり情報を共有してもらえるため、社内の人材育成にも繋げることができます。
経営陣に意見を言いやすくミスを防ぐことができる
社外取締役を導入することで、第三者の視点から企業課題を指摘してもらうことができます。社外取締役は、外部の人材であるため経営陣に対して積極的に発言できます。
そのため、社内では見つけることができなかった新たな課題点の発見や経営陣のミスを防ぐことができます。また、社外取締役が積極的に指摘することで取締役会の実効性が高まり、企業の成長に繋がるでしょう。
社外取締役を導入するデメリット
一方、社外取締役を導入したことによるデメリットを説明します。
組織事情に精通していない
社外取締役は外部人材であるため、組織内部の事情に詳しくありません。そのため、自社の課題を正確に理解してもらうことができず、課題解決に繋がらない場合もあります。
社外取締役を導入する際には、社内事情や企業の課題を把握したうえで社外取締役に理解してもらう必要があります。
顧問を導入するメリット
ここでは、顧問を導入するメリットを企業の視点からご紹介していきます。
専門的なアドバイスを得られる
外部人材である顧問は、特定の業界や企業に沿った専門性のある知見や知識、また豊富な実績を有しているため専門的な観点からアドバイスしてもらえます。
顧問を導入することで、企業成長のために必要な事業アイディアや企業課題を解決するための施策を助言してもらうことができます。
経営陣がビジネスに専念できる
業界や企業に特化した知識・知見、豊富な経験を持つ顧問に相談することで企業課題を解決できるため、経営陣の負担が減りビジネスに専念できます。
また、顧問は客観的な立場から発言するため、企業のこれまでのやり方にとらわれず新しいアイデアや戦略を提供することが可能です。
顧問を利用することで経営陣の負担が減り、さらに顧問の専門知識を取り入れられるため企業成長を促すことができます。
他社のノウハウを活用できる
顧問紹介サービスには転職市場では出会えないハイスキル人材が多数登録しており、多くの企業で実績を残している顧問の知識を社内に取り入れられるため、スムーズに事業の成功へ繋げることが可能です。
また、長年にわたり培ってきたノウハウや知識を活かし、業務を遂行してくれます。
顧問を導入するデメリット
一方で、顧問を導入するデメリットは以下が挙げられます。
適切な顧問をアサインしないと時間とお金が無駄になる
顧問は業界や業種によって得意・不得意があります。そのため、自社と同じ業界や業種の経験がない顧問を採用するとミスマッチが起こり、費用が無駄になってしまいます。
顧問を導入する前には、実績のある業界や業種、また自社が抱える課題と同じような案件を解決した経験があるかどうか確認する必要があります。
社外取締役と顧問に関するよくある疑問点
ここでは、社外取締役と顧問に関するよくある疑問点をご紹介していきます。
どのような就任要件があるのか?
社外取締役の就任要件は会社法第2条で定められており、就任前10年以内に親会社・子会社含む当該会社に関係のある人材ではないことになります。
第三者として経営陣と対等な立場で自由に発言することが求められるため、利害関係のない人材を選任することが基本です。さらに、社外取締役は実務経験が豊富で経営に関する専門的な知識とノウハウを有していることも重要になります。
一方で、顧問は会社の内部と外部の両方から選任されるため就任要件は特に定められてません。
しかし、経営に関する専門的な知識や豊富な経験が求められます。これまで培ってきた専門性を活かし、社内で解決できない課題に対して解決策をアドバイスできる点も重要になります。
任期はどれくらいか?
社外取締役と顧問の任期は特に定められていませんが、就任する企業によって任期は異なります。
一般的な社外取締役の任期は1年から2年程度ですが、5年以下の在任期間もあれば、10年以上の場合もあります。さらに再任が可能なため、任期が延長される場合もあります。
一方、顧問の任期は1年ごとの契約が一般的ですが契約形態によって期間は異なってきます。
監査役と顧問税理士の兼任は可能なのか?
監査役は、会社法335条により株式会社・子会社の取締役、支配人、その他の使用人、会計参与、執行役を兼任できないと記されていますが、顧問税理士の兼任について禁止することは明記されていません。そのため、法律上は監査役と顧問税理士の兼任が可能です。
しかし、顧問税理士が会社の内部状況を把握している場合は使用人に該当する可能性があるため、兼任する際には監査役と顧問税理士の役割を区別し、客観性を損なうことがないよう注意することが必要です。
顧問弁護士を社外取締役に選任しても良いのか?
顧問弁護士を社外取締役に選任することは可能です。ただし、会社法に明記されている社外取締役の条件を満たす必要があります。
また、契約関係によっては利益衝突や報酬の金額次第で上場企業のガイドラインに抵触してしまう可能性があるため、事前に注意が必要です。
社外取締役と顧問の報酬について
ここでは、社外取締役と顧問の報酬の相場についてご紹介していきます。
社外取締役の報酬相場
社外取締役の報酬は、月1〜2日の出社で年収663万円程度になります。
中には2,000万円以上を支払う企業もあり、企業規模や業界・案件内容・社外取締役の経験、スキルの高さで報酬は異なってきます。
顧問報酬相場
ここでは、内部顧問と外部顧問の報酬相場についてご紹介していきます。
内部顧問の報酬
内部顧問の報酬は、企業の業種や規模・内部顧問の経験によって異なります。その中で、顧問として毎日出勤する常勤顧問と必要なときに出勤する非常勤顧問があります。
常勤顧問の場合、年収675万円程度です。
一方、非常勤顧問の場合、年収498万円程度になります。
外部顧問の報酬
外部顧問の報酬は、依頼する内容や稼働時間・顧問の経験によって異なってきます。また、企業課題に応じて、顧問とピンポイント契約や長期契約を締結できます。
営業顧問の場合、固定報酬は月10万円〜50万円程度です。
営業顧問はアポイントや商談を獲得した場合、1件数万円~10万円程度のアポイント成果報酬や顧問を通して商品やサービスの受注が出来た場合の売上成果報酬が支払われます。
出典:エッセンス株式会社 顧問とは? 役職や報酬、会社で今活用すべき理由も解説
まとめ
この記事では、社外取締役と顧問について解説してきました。
社外取締役は企業と利害関係のない外部の人材であり、客観的な立場から経営陣に助言したり、不正などの監督を行います。
顧問とは、専門的なノウハウや知識を活かして企業の経営課題に応じた最適な解決策を提供してくれる人材です。
社外取締役や顧問を導入することで、高い費用対効果が見込めるため企業価値の向上に繋がります。
専門知識が豊富な社外取締役と顧問を探すには紹介サービスを活用することをおすすめします。
監修者情報
パートナー企業開発部門を経て、金融業界向けコンサルティングセールス業務に従事。
その後、ヘッドハンティングされWeb系スタートアップ企業の取締役等を歴任。
Webコンサルティングやメディアを運営するアークワードコンサルティング社を創業。