最終更新日 2023/11/15
近年、新型コロナウイルスの影響により、飲食店やイベント業者、ホテル・旅館などのサービス業が大きな打撃を受けています。
このような状況の中、経営を立て直すためコンサルタントの導入を検討している企業の方も少なくないのではないでしょうか。
コンサルタントを導入し、専門的な立場からアドバイスをもらうことで、経営を改善させる可能性は高まります。
しかし、闇雲にコンサルタントを導入すれば良いわけではありません。
今回は、コンサルタントの導入を検討しているサービス業の方向けに、サービス業におけるコンサルタントを選ぶポイントを解説します。
目次
️サービス業のコンサルタント一覧
サービス業のコンサルタントをご紹介します。
コンサルタントには、上流の戦略策定から実務の実行支援まで幅広く行う総合コンサルタント、事業計画・経営戦略に特化した戦略コンサルタント、政府に提言をするシンクタンク系コンサルタントなどがあります。
その中で、サービス業の実務支援を行うのは、「業界特化型コンサルタント」です。
サービス業の業界特化型コンサルタントとしては、以下のようなものがあります。
医療系・ヘルスケア系コンサルタント
医療系・ヘルスケア系コンサルタントは、医療機関や医薬品メーカー等の事業計画策定や戦略支援、実行支援を行うコンサルタントです。
サイプレスやKPMGヘルスケアジャパンなどの企業が一般的に該当します。
医療系やヘルスケア系の業界特化型コンサルタントが、一般的なコンサルタントと異なる点は、医療業界特有の慣習や薬事法などを十分に理解した上で戦略や戦術を検討できるという点です。
イベント系コンサルタント
イベント系コンサルタントは、イベントのスムーズな運営や集客に関して提言を行う業界特化型コンサルタントです。
イベントスペースを低コストで設営するためにアドバイスをしたり、適切な業者を紹介したりします。
また、集客においても、イベントのホームページの作成からWeb広告の配信を行うなど、実務の実行支援に寄ったコンサルティングを提供するケースが多いのが特徴です。
飲食店系コンサルタント
飲食店は、個人経営のものからフランチャイズ展開する大企業まで、幅広い規模の企業が存在するのが特徴です。
コンサルティングを行う飲食店の規模によって、必要なコンサルティングが異なるため、飲食店系コンサルタントは大きく2つのジャンルに分かれています。
1つ目のジャンルが、飲食特化型コンサルタントです。
飲食特化型コンサルタントは主に小規模から中規模の飲食店を対象とし、メニュー開発や販売促進、接客の研修や出店の戦略立案などを行います。
もう1つのジャンルが、飲食総合型コンサルタントです。
飲食総合型コンサルタントは主に中規模から大規模な飲食店を対象とし、メニュー開発や販売促進に加えて、海外展開やフランチャイズ化、ブランディングなどより経営に近い領域でコンサルティングを行います。
ホテル・旅館系コンサルタント
ホテル・旅館系コンサルタントは、ホテルや旅館を対象に、主に集客に関するコンサルティングを行います。
HPの制作ディレクションや広告ディレクションなどが主なサービス内容です。
また、ホテルの内装や外装に関するコンサルティングを提供しているコンサルタントも存在します。
️サービス業でコンサルタントを導入するメリット
続いて、サービス業において、コンサルタントを導入するメリットをご紹介します。
集客の支援
コンサルタントを導入することで、集客の支援を受けることができます。
多くのサービス業は、日々の業務を回すことで忙しく、プラスアルファでより良い集客を考える余裕がないケースも多いでしょう。
また、マーケティングに関する専門知識がないと、闇雲に広告を打ったり、集客に繋がらないようなホームページを作成してしまったりして、無駄にコストを消費してしまうことになりかねません。
一方で、集客に特化したコンサルタントを導入することで、こうした集客上の課題を解決し、マーケティング思考に基づいたプロモーション戦略を実行することが期待できるでしょう。
現場のスタッフの教育
現場のスタッフの教育やモチベーション強化などにおいては、コンサルタントの導入が大きくプラスに働くケースも多いでしょう。
経営のノウハウや現場の肌感覚はあるものの、現場のスタッフを育成するという観点でのノウハウがないこともあります。
こうした現場のスタッフの教育を、プロであるコンサルタントを導入して任せることで、接客態度の向上やサービスの質の改善を見込むことができるでしょう。
従業員のモチベーションの向上
従業員のモチベーションの向上に関しても、人事制度の整っていない企業では後回しになっていることも多いです。
こうした領域に関しても、人事評価の最適化やモチベーション向上に詳しいコンサルタントを導入することで、会社全体の雰囲気の向上に繋がり、離職率の改善に繋がることが期待できるでしょう。
️サービス業でコンサルタントを導入するデメリット
サービス業においてコンサルタントを導入することは、メリットだけではありません。
コンサルタントを導入するデメリットについてご紹介します。
導入する際に費用がかかる
コンサルタントを導入する場合、費用がかかります。
上流の経営領域に関するコンサルティングになればなるほど、高額なケースも多いです。
このため、業績を改善しようと思ってコンサルタントを導入した結果、大きな成果は出ずにコンサルタント費用だけがかさむケースもあります。
コンサルタントは、確実な成果物を提出するサービス形態ではないため、期待値に届かないリスクもあるでしょう。
企業に活用できる知見がないこともある
コンサルタントによっては、業界の一般的な知見やノウハウがあるのみで、依頼する企業の課題に対するノウハウがなかったり、業界のことを理解していなかったりするために、効果的な提案をすることができないケースもあります。
特に、サービス業は幅が広いため、コンサルタントの専門領域と企業の業界がマッチしない可能性もあるため、注意が必要です。
【関連記事】企業がコンサルタントを活用する利点とは?利用する上での注意点について
️サービス業のコンサルタントを選ぶ際のコツ
続いて、サービス業のコンサルタントを選ぶ際のコツを紹介します。
業界での実績を確認する
まずは、自社の業界でのコンサルティング実績があるかどうかを確認します。
特に、サービス業は幅が広いため、「サービス業でのコンサルティング実績があります」との記載がある場合でも、必ずしも自社の業界に関する知見があるとは限りません。
コンサルタントの実績に「サービス業」といった定義の広いワードが含まれている場合には、必ず具体的な業種・業界を確認すると良いでしょう。
可能な限り、自社の業界・規模・状況に近いコンサルティング実績があるかどうかを確認することが大切です。
契約形態が柔軟なサービスを活用する
コンサルタントを選ぶ際のコツとして、「契約形態が柔軟かどうか」という点です。
契約形態が柔軟であれば、コンサルタントのミスマッチによる損失を最低限に抑えることができます。
例えば、1年契約でコンサルタントを起用した場合、2か月目で違和感を感じた場合でも、基本的には残り10か月間お金を払い続けなければなりません。
このため、出来る限り、契約を柔軟に変更することが可能なコンサルティングサービス、顧問サービスを活用することが大切です。
専門知識やノウハウがあるかを確認する
コンサルタントは特に資格が必要な業種ではなく、名乗ろうと思えば誰でも名乗ることが出来てしまいます。
専門知識やノウハウがなかったとしても、プロフィールを工夫して記載することで案件を獲得しようとするコンサルタントもいるでしょう。
このため、コンサルタントを導入する際には、事前に専門知識やノウハウがあるかどうかを確認することが大です。
しかし、実際にコンサルタントとして働いてもらう前から、コンサルタントの専門知識の有無を見極めるのは容易なことではありません。
このため、顧問サービス等を活用することが有効です。
顧問サービスは、コンサルタントとして活動してもらえる顧問と、ニーズのある企業をマッチングさせることが可能です。
顧問サービスに登録されている人材は、サービス側の事前審査を通過した人材であるため、専門知識がないコンサルタントとのミスマッチを防ぐことができるでしょう。
️まとめ
サービス業において、コンサルタントの活用は非常に有効です。
Webプロモーションや現場のスタッフの教育、モチベーション向上など、日々の業務においてなかなか手の回らない領域をカバーしてもらうことで、業績の改善、向上を図ることができます。
しかし、コンサルタントの導入には費用がかかる上、コンサルタントは資格が不要な職種であることから、質の悪いコンサルタントを導入してしまうリスクもあります。
こうしたリスクを最小限に抑えるためには、事前にコンサルタントの実績をしっかりと確認した上で、検討することが大切です。
コンサルタントの事前審査がされている顧問サービス等のプラットフォームを活用することで、リスクを最小限に抑えることができるでしょう。
また、自社が求めているニーズに合わせた顧問やコンサルタントが在籍しているサービスを活用することも大切です。