最終更新日 2024/10/23
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既存の社内課題の解決や、新規事業の拡大に向けて、非常勤の顧問の活用を検討している企業の方は多いのではないでしょうか。
しかし、「顧問」という役職は実は会社法の役職ではなく、明確な定義もありません。
このため、契約についても法律上の定めがないのが一般的です。
こうした状況において、顧問を活用する際の適切な報酬形態、適切な報酬額、適切な相談内容、委託内容がわからず活用に二の足を踏んでしまう企業の方も多いのではないでしょうか。
今回は、非常勤顧問を活用したいと考えている企業の方向け、また非常勤顧問での働き方に興味のある個人の方向けに、非常勤顧問の特徴や非常勤顧問を選ぶ際のポイントなどを開設していきます。
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目次
非常勤顧問とは
前提として、顧問とは「専門的な知識、経験を元に企業の特定分野の指導、アドバイスを行う」役職です。
例えば、技術的な観点からアドバイスを行う顧問であれば技術顧問、経営に関する全般的なアドバイスを行うのであれば経営顧問と呼ばれます。
常勤顧問は定期的に会社に来ることが多いのに対して、非常勤顧問は不定期的に活動します。
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非常勤顧問と常勤顧問との違い
専門的な知見からアドバイスを行うのが顧問の役割ですが、そのアドバイスの頻度によって「非常勤顧問」「常勤顧問」に分けることができます。
非常勤顧問と常勤顧問の違い、特徴としては以下のようなものがあります。
ただし、非常勤顧問、常勤顧問も当然法律で定められた役職ではないため、明確な定義があるわけではないことに注意が必要です。
勤務日数や勤務時間について
非常勤顧問と常勤顧問という呼称を分ける主な要因は、その勤務日数、勤務時間です。
常勤顧問は基本的には毎日会社に出勤し、自身の専門分野に関してアドバイスを行います。
一方、非常勤顧問は毎日出勤することはなく、その頻度は様々です。
週に数日のケースもあれば、月に1回程度会議に出席するだけの顧問も存在します。
給与について
一般的に常勤顧問のほうが非常勤顧問よりも勤務時間が長いため、常勤顧問の方が報酬の水準が高いことが多いです。
ただし顧問の給与は法律で決まっているわけではないため、必ずしもそうはならないことに注意が必要です。
例えば、若手の常勤技術顧問と、会社経営を複数経験してきたベテランの非常勤経営顧問では、後者の方が報酬が多いのが一般的です。
顧問の給与は拘束時間と発揮できる価値の大きさの2つの観点で決まるといえます。
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契約について
非常勤顧問は、期間契約などになっていることが多く、一方で常勤顧問は契約期間がない無期限の契約か長期の契約になっていることがほとんどです。
ただ、こちらもあくまでそういった傾向というだけであり、長期契約の非常勤顧問や、短期契約の常勤顧問も存在します。
顧問は非常勤が多い?
一般的に、顧問として働いている人は「常勤顧問」よりも「非常勤顧問」の方が多いです。
なぜなら、顧問はあくまで「専門的な知見を活かしてアドバイスをする立場」であり、会社にフルコミットして事業を成長させる存在ではないからです。
社員や経営層が毎日当事者として事業に向き合いつつ、定期的に顧問のアドバイスを受けて軌道修正をする、といった形が一般的です。
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非常勤顧問の場合の契約形態・報酬
非常勤顧問の契約形態や報酬について紹介します。
契約形態について
基本的には、「委任契約」「準委任契約」といった業務委託の契約形態が採用されることが多いです。
委任契約とは「法律行為の遂行を委任する」契約であり、雇用契約と違って細かい労働時間に関する定めなどはありません。
準委任契約は、「法律行為」以外の行為を委任するときに用いられ、基本的な構造は委任契約と同じです。
このため、顧問税理士や顧問弁護士など、法律行為を委任する際には「委任契約」、経営顧問や技術顧問など、法律行為以外の行為を委任する場合には「準委任契約」が締結されるのが一般的です。
報酬について
非常勤顧問の場合は委任契約や準委任契約が締結されるケースが多いです。
また、報酬に関しては委任契約自体に定めがないため、双方の合意のもと別途設定する必要があります。
顧問の同意さえとれて契約を締結できるのであれば、法律上は無給でも問題ないのが委任契約の特徴です。
報酬を支払う場合には、顧問や、顧問を紹介してもらうエージェントと交渉をおこなって決定します。
固定給の場合もあれば、月々の実際の稼働時間に応じて報酬を支払う場合、課題解決1件あたりに対して報酬を支払う場合もあり、実に様々です。
また、金額も月々数万円程度の顧問もいれば、役員報酬と同程度の報酬をもらっている非常勤顧問もいます。
保険について
社会保険に加入できるのは、基本的には「雇用契約」の場合です。
このため、委任契約や準委任契約を結んでいる非常勤顧問に関しては、社会保険に加入することはできません。
フリーランスに近い扱いであると認識しておくのがよいでしょう。
一方、雇用契約を結んでいる場合には、社会保険に加入することができますが、常勤顧問が雇用契約であることはあっても、非常勤顧問はあまり雇用契約ではないことが多いです。
非常勤顧問を選ぶポイント
続いて、非常勤顧問を選ぶポイントを紹介します。
長年企業に勤めていた経営層、幹部層が内部顧問として就任する場合、顧問として起用する側の会社も顧問のことをよく理解しているため、大きな問題は起きないことが多いです。
一方で、外部顧問を新たに起用する場合はミスマッチを防ぐため、以下のような点に注意する必要があります。
企業が求める専門知識・知見・経験があるか
非常勤顧問を選ぶ上で重要なポイントは、企業が求める専門知識、知見、経験があるかという点です。
中でももっとも重要なのが、企業が解決したい課題や、成し遂げたいゴールと近しい状況に対して着実な成果を出してきた「経験」があるかどうか、という点です。
「経験」がもっとも重要な理由は、顧問を活用する際は自社にないノウハウを求めて活用することが多く、「専門知識」の有無にとらわれてしまうと、顧問を過大評価してしまう可能性があるからです。
例えば専門的な知識や資格を多く保有しており、業界で有名な顧問であっても、自社の抱えている課題と専門領域が少しずれてしまっていると、期待していたような成果が出ない場合があります。
つまり、専門知識の有無や評判といった表面的なものだけで顧問を選ぶとミスマッチになる可能性があるのです。
緊急事態にも迅速に対応ができるか
非常勤顧問は、基本的には週に数日、月に数日といった頻度でアドバイスをする役割であり、会社の経営陣と同等の責任をおうことはありません。
とはいえ、そういった契約を盾にし、全く責任感がない非常勤顧問は活用すべきではないでしょう。
例えば、緊急事態が発生して、迅速に顧問に相談したい際に、対応範囲外だからといって全く取りつく島もないような顧問だと、事業成長への貢献は見込めません。
もちろん契約外の業務を会社側から強いることは避けるべきですが、顧問だからといって会社の業務を「自分ごと化」してくれない場合は活用を避けるべきです。
人間として信頼できる顧問と契約できると良いでしょう。
相談に対して、わかりやすく説明ができるか
顧問の役割は、専門的な知見や経験をもって、企業の経営層や現場に「アドバイス」をすることです。
このため、いくら専門的な知見や経験があっても、「わかりやすいアドバイス」ができなければ、顧問として優秀であるとは言えません。
専門的な内容であってもわかりやすく噛み砕いて説明する能力があるか、という点を重視して顧問の活用を検討すべきです。
顧問料が業務内容に見合っているか
委任契約や準委任契約で顧問を活用する場合、顧問料が業務内容と合っているか定期的に見直し、交渉を続けることが重要です。
例えば顧問弁護士を登用したものの、訴訟に関するトラブルがほとんどない企業において、固定給で顧問料を支払うのは適切ではないかもしれません。
なぜなら、実際顧問弁護士に発生する業務がほとんどないからです。
このようなケースでは、固定給を下げて成果報酬型と組み合わせる、完全に案件ベースでの報酬支払いにする、など報酬形態や金額を見直す必要があります。
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️まとめ
非常勤顧問は会社法に定められた役職ではなく、自由度の高いアドバイザーのような存在です。
このため、解決したい課題や達成したいゴールが明確にある上で、報酬設計や稼働ペースを適切に調整できれば、経営や事業課題全般に対する悩みを解決してくれる心強い味方になることでしょう。
監修者情報
パートナー企業開発部門を経て、金融業界向けコンサルティングセールス業務に従事。
その後、ヘッドハンティングされWeb系スタートアップ企業の取締役等を歴任。
Webコンサルティングやメディアを運営するアークワードコンサルティング社を創業。