最終更新日 2024/10/16
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企業の利益を最大化するには、自社の経営課題と向き合うことが重要です。
しかし、そもそも自社にどのような課題があるのかがわからなかったり、課題が多すぎて何から手をつければ良いのかわからなかったりすることもあるでしょう。
本記事では、自社の経営課題の見つけ方やフレームワークの活用の仕方について解説します。
目次
経営課題が大きく変化している要因
企業の経営課題は、なぜ大きく変化しているのでしょうか。
具体的な要因について、解説します。
人材の在り方の変化
経営課題が大きく変化するのは、働き方改革などで人材に関する考え方が変化しているためです。
現在、多くの企業が事業活動する上で慢性的な人材不足に悩まされており、働き手のやりがいや満足度を向上させることが、重要な課題になっています。
このため、最近は、若年層だけでなく、シニアや女性、中途採用などを採用する企業も多いです。
このように人材の在り方の変化は、働き手のニーズに合わせて、職場環境や人事制度などの経営課題も変化させています。
厚生労働省が主導する働き方改革は、少子高齢化や働き方の多様化などによって今後さらに推進されることが考えられます。
このような流れを受け、企業側には今後も働き手のニーズに合わせた柔軟な対応が求められるでしょう。
急速な環境の変化
新型コロナウイルスや災害などの急速な環境の変化があると、企業の経営課題も急速に変化します。
例として、新型コロナ感染症は、飲食店などに大きな経済的ダメージを与え、失業者も大量に増やしました。
このような流れを受け、WebマーケティングやWeb広告戦略などのオンライン戦略に力を入れ始めた企業も多いのではないでしょうか。
急速な環境の変化は、消費者のライフスタイルや価値観を変動させ、企業に新たな経営課題をもたらすのです。
ITやデジタルに対する意識の変化
近年では、経済活動の多くがオンラインでの活動に切り替わりました。
会社に出勤するのが難しくなったことで、テレワークや電子契約システム、Web 会議システムなどを導入した企業も多いのではないでしょうか。
このようなITやデジタルに対する意識の変化も、企業の経営課題を大きく変化させる要因のひとつです。
従来は、紙で行っていた業務をWeb上に移行することで、新たな課題や改善点も見つかるようになるでしょう。
また、最近は、DX(デジタルトランスフォーメーション)も注目されています。
DXは、IT技術を取り入れることで、人々の生活を向上させることを目的とした考え方です。
DX化が進むことでさまざまな顧客ニーズが生じるため、企業の経営課題もさらに変化するでしょう。
経営課題の見つけ方
では、経営課題はどのように分析し、発見すれば良いのでしょうか。
ここでは、経営課題の具体的な見つけ方について、解説します。
財務状況を可視化する
経営課題を見つける際は、売上や利益、経費などの財務状況を可視化することが大切です。
財務状況が明らかになると、どのような商品が稼ぎ頭なのか、どのような業務が利益を圧迫しているのかなどが分かるようになり、経営課題を見つけやすくなります。
財務状況に関する項目を数値として確認することで、経営課題だけでなく、自社商品やサービスの強みも理解できるでしょう。
安定した売上を上げている企業でも、収支の悪化により倒産する可能性はゼロではありません。
財務状況を数値として確認することは、マーケティングやリスク分析などをする際にも大きく役立ちます。
業務プロセスを見直す
業務プロセスを見直すことで、社員教育の欠陥や業務効率化を妨げる問題点などを発見しやすくなります。
特に、ある程度売上が安定している企業は、既存の業務が固定化し、無駄なルーチン作業が発生している可能性もあるでしょう。
無駄なルーチン作業は、業務の効率を悪くするため、すぐに見直しましょう。
フレームワークを利用する
経営課題を見つけるために、フレームワークも用意されています。
フレームワークは、一般的に使える汎用的なものから、ジャンルに特化したものまで様々です。
それぞれ特徴や用途が異なるので、自社の目的を考慮して最適なものを選びましょう。
ここでは、経営戦略向けのフレームワークとして代表的な「PEST分析」と「アンゾフの成長マトリクス」について解説します。
PEST分析
PEST分析は、以下の4つの視点から経営課題を分析する手法です。
- Politics(政治)
- Economy(経済)
- Society(社会)
- Technology(技術)
例えば、所得税が増え、少子化が進んだ場合は、Politics(政治)とSociety(社会)をもとに、経営課題を考えます。
PEST分析は、会社という枠組みに囚われずに、多角的な視点で事業活動を分析できるため、経営課題を見つけるフレームワークとして利用している企業も多いです。
アンゾフの成長マトリクス
アンゾフの成長マトリクスは、ビジネスの成長を「製品と市場」に分け、さらに「新規と既存」に分けるフレームワークです。
例えば、「既存の市場」と「既存の製品」の場合は、今後自社商品の市場シェアを成長させられる可能性があります。
アンゾフの成長マトリクスは、自社の事業がこれからどのような方向に成長していけば良いのかを確認したいときに、有効なフレームワークです。
経営課題を解決する際のポイント
企業の経営課題を解決するためには、どのようなことが大切なのでしょうか。
経営課題を解決する際のポイントをご紹介します。
課題を分類する
企業の経営課題は、様々な問題が複雑に絡まっていることが多いです。
このため、生産管理などの特定の部門にこだわるのではなく、人事戦略や財務戦略といった他部門も考慮して横断的に分析する必要があります。
特に、中小企業の多くは、経営層が多くの業務に関わらなくてはならないケースもあるため、どの問題から優先して取り組む必要があるのかを判断することが難しいです。
それだけでなく、どこにどのような問題が発生しているのか理解できていないケースもあるでしょう。
このため、経営課題を解決する際は、まずどのような課題が発生しているのか分類することから始めましょう。
目標を明確にする
経営課題を解決するための目標を明確にすることも大切です。
現状、問題が発生している部門にどのくらいのコストがかかっているのかを明確にし、適切な目標値を設定しましょう。
競合他社を基準に、目標値を設定する方法も効果的です。
人材育成に力を入れる
人材育成に力を入れて、経営課題を解決できる社内の人材を増やすことも有効です。
近年では、多くの企業が人材不足に悩んでおり、確かな経験や知識をもとに業務を遂行できる優秀な人材を確保することが難しくなっています。
経営課題を解決するには、自発的かつ多面的な視点をもつ人材が必要です。
しかし、業務上の失敗に対し責任の所在を追求するような職場では、社員の自発性も育ちません。
このため人材育成をするには、適切な人事評価制度を創設するなど工夫し、新入社員でも積極的にチャレンジできる環境を構築する必要があるでしょう。
コストを削減する
さまざまな部門でのコスト削減を行うことで、企業の利益を最大化し、経営課題も解決しやすくなります。
事業活動する上でかかってくる主なコストは、以下の3つです。
- 人件費
- オフィスコスト
- 採用コスト
人件費は、給与やボーナス、福利厚生費など、社員を雇うために必要なすべての費用です。
コスト全体の中で大きな割合を占めるため、業務の効率化などを推進し、削減する必要があります。
オフィスコストは、部屋の賃貸料や付属機器のリース代、光熱費など、オフィスを利用するために必要な費用です。
こちらも固定費として大きな割合を占めるため、経営課題の内容に応じて間取りや立地などを最適化する必要があります。
採用コストは、求人広告費や就職説明会の開催費など、採用活動全体にかかる費用です。
社員にとって働きやすい環境を整備することで、離職率が下がり、コストの削減に繋がる可能性があります。
【関連記事】コンサルタントの費用の相場は?費用対効果を高めるポイント!
社外から積極的に人材を登用する
外部の人材の中には、経営課題を解決するためのノウハウを保有している人材もいるため、社内の人材よりも、効率的に経営課題を解決してくれる可能性があります。
社内人材を育成するよりも時間がかからず、教育コストを削減するという観点でも効果的です。
また、外部人材の方が専門性に特化しているため、各種フレームワークの扱いにも長けています。
外部の人材紹介サービス
外部人材の有用性は理解できたものの、優秀な人材を確保する手段がないという企業も多いのではないでしょうか。
外部人材にアプローチする手段がないという企業は、外部の人材紹介サービスを利用しましょう。
外部の人材紹介サービスには、外部の優秀な顧問やコンサルタントが在籍しており、企業ニーズに応じて、さまざまなジャンルのスペシャリストを紹介するサービスです。
外部の専門家を活用する場合は、利用すると良いでしょう。
【関連記事】顧問紹介サービスを利用するメリットは?どのような企業が活用するべき?
まとめ
経営課題は、市場の状況や消費者意識などの変化によって変わります。
特に最近では、新型コロナウイルスによって消費者の生活や企業の経済活動に大きな変化が生じ、業務効率化や属人化の排除を目的とした抜本的な組織改革を考える企業もあります。
このような背景から、厚生労働省が指導する働き方改革は、今後もさらに市場全体に浸透していくと考えられます。
現状、安定した売上を上げている企業においても、自社の経営課題をしっかりと把握し、課題を適切に解決することが大切です。
しかし、働き方や消費者意識が多様化する現代において、自社だけでさまざまな経営課題を解決するのは簡単ではありません。
このため、人材や予算に余裕がない中小企業などは、経営課題ごとに外部の人材を活用して、課題を効率的に解決することが有効です。
外部の人材紹介サービスを利用して、自社の経営課題を解決できる最適な人材を探すと良いでしょう。
監修者情報
パートナー企業開発部門を経て、金融業界向けコンサルティングセールス業務に従事。
その後、ヘッドハンティングされWeb系スタートアップ企業の取締役等を歴任。
Webコンサルティングやメディアを運営するアークワードコンサルティング社を創業。