後継者不足に陥る原因と解決策をご紹介!深刻な業界も存在する?

最終更新日 2024/10/16

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昨今の少子化や過疎化により、後継者を見つけることが難しいケースも増えています。

このため、中小企業の経営者の中には、後継者不足に困っている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、後継者不足の現状と後継者不足に陥る原因と解決方法についてご紹介します。

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後継者不足の現状とは?

まずは、後継者不足の現状についてご紹介します。

後継者の不在率は60%以上ある

帝国データバンクの調査では、2020年の約 26 万 6000 社(全国・全業種)の後継者不在状況は、全体の約 65.1%に当たる約 17 万社で後継者不在だったことがわかっており、2011年以降、最低を記録しています。

地域別では北海道、都道府県別では沖縄県が後継者不在率80%超と、全国平均を大きく上回る不在率を記録しています。

また、業種別では「建設業」がもっとも不在率が高く、約70%となっています。

さらに、後継者不足と並行して、後継者の内訳も変化しており、「同族承継」とほぼ近しい割合で「内部昇格」が続いています。

これは、少子化や世襲文化の衰退に伴い、親族に事業を承継する人の割合が減り、内部の部下に事業を承継するケースが増えてきたことを示していると考えられるでしょう。

後継者不足が理由で廃業しているケースもある

深刻な後継者不足に悩まされた挙句、廃業しているケースもあります。

日本政策金融公庫の調査では、60 歳以上の経営者のうち 50% 超が将来的な廃業を予定しているとの結果が出ており、日本の後継者不足による経済影響が深刻であることがわかります。

政府も対策に取り組んでおり、中小企業庁が事業承継を支援する「事業承継 5 ヶ年計画」を策定したり、中小企業の事業承継費用をサポートする「事業承継補助金」の制度がスタートしたりと、事業承継が活発化される方法を模索しています。

参考:帝国データバンクによる全国企業「後継者不在率」動向調査(2020年)

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後継者不足に陥る原因

ここでは、後継者不足に陥る原因をご紹介します。

後継者不足に陥る原因としては、以下の4点が挙げられます。

  • 後継者の育成ができていない
  • 少子高齢化が進んでいる
  • 事業内容に将来性がない
  • 親族承継に対するハードルが高い

それぞれの原因について、解説します。

後継者の育成ができていない

事業承継は、いきなり経営者を交代すれば良いわけではありません。

後継者の選定、後継者の教育、経営資源の引き継ぎなど、事業承継をするためには多大な手間と時間が必要です。

しかし、中小企業の経営者は往往にして経営に忙しいことが多く、後継者の育成が十分にできないことも多いです。

これにより、後継者の育成が完了する前に経営者がいなくなってしまい、引き継ぎが不十分なために会社が分裂したり、廃業に追い込まれたりするケースが多いのです。

このため、後継者不足に悩んでいる企業の経営者の方は、できる限り早くから後継者の育成に着手することが大切です。

企業が抱える人材育成の課題とは?解決する上で大切な4つのコツについて

少子高齢化が進んでいる

内閣府が公表している令和3年版高齢社会白書によると、現在の日本では、人口の28.8%が65歳以上の高齢化社会となっています。

人口自体も減少しており、2066年には国民の2.6人に一人が65歳以上になる見込みです。

このように少子高齢化が進む中で、若い親族が減っており、事業承継をする相手がいなくなってきているという事態が生じています。

また、特に、地方では過疎化も進んでいるため、事業承継をする先の若者がいなくなっている現状があります。

例えば、過疎化が進む地方である北海道、秋田、鳥取、島根などは、いずれも後継者の不在率が70%を超えており、地方の事業承継の難しさがわかります。

参考:令和3年版高齢社会白書

事業内容に将来性がない

事業の後継者候補がいた場合でも、事業内容に将来性が薄く、後継者候補に事業承継を拒否されてしまうケースもあります。

特に、地方の中小企業は昔ながらのビジネスモデルで、地域の繋がりを活かして顧客を獲得していることもあるでしょう。

今後、少子高齢化や過疎化により、親族間での繋がりが失われていくだけでなく、先進的な企業はDXを推進して画期的なビジネスモデルを生み出していくことが考えられます。

このような状況の中、昔ながらの地方の中小企業は将来性が薄いと判断され、後継者候補から拒否されてしまうことも多いのです。

親族承継に対するハードルが高い

過去は、一般的に親の家業を子供が継ぐというケースも多く、事業承継はスムーズに行われていました。

しかし、明治以降職業の選択が自由化され、さらに昨今ではより個人が自由に生きていくことを推奨する世の中になってきています。

これにより、親が子に事業を承継するという形は、一般的ではなくなってきているのです。

親が子供や親族に事業を承継させたくても、後継者候補の子どもや親族に断られてしまうというケースが多くあるのです。

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後継者が不足している業界

帝国データバンクの調査によると、「建設業」「サービス業」「小売業」の3つの業界で後継者の不足が目立っています。

それぞれの業界について、解説します。

建設業

建設業は、後継者不在率が70%を超えています。

これは、全業種の中で唯一の70%台となっており、最も後継者が不足している業界であることがわかります。

特に、小規模な職人が多い職別工事や設備工事での、不足率が高いです。

サービス業

サービス業は、情報サービス・専門サービス・医療・自動車整備などの職種で、後継者の不在率が65%以上であり、後継者不在率が高いことがわかります。

とはいえ、サービス業の中でも、後継者に関して問題を感じていない業種もあるでしょう。

しかし、医療や自動車整備など、後継者が不足しているサービス業もあるのです。

【関連記事】サービス業でコンサルタントを導入するメリットは?選ぶ際のコツもご紹介!

小売業

小売業は、全体としては他業種と比べてそこまで後継者不在率は高くない一方で、家具類の後継者不在率は70%を超えています。

地方の過疎化により、家具を買い換える人が減ったことや、インターネットで購入できる大手家具チェーンの興隆により経営難に陥る家具小売店も多いです。

このため、ますます後継者不足が加速する可能性も考えられるでしょう。

参考:帝国データバンクによる全国企業「後継者不在率」動向調査 p4(2020年)

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後継者不足を解決する方法

後継者が不足する原因は、様々です。

では、この後継者不足を解消するには、どのようなことが必要なのでしょうか。

ここでは、後継者不足を解決する方法についてご紹介します。

後継者の育成に力を入れる

後継者の育成に力を入れ、事業承継の準備を進めることが重要です。

しかし、自分一人で後継者の育成や事業承継の準備を進めようとすると、通常の経営との兼ね合いが難しく、上手くできないことが多いです。

このため、後継者の育成を得意とする外部の人材や顧問を活用すると良いでしょう。

後継者の育成に強い人材を導入することで、自身のリソースを割かずに後継者の育成を行うことが期待できます。

M&A・事業承継サービスを利用する

事業の承継を引き受ける人材と後継者を探している事業をマッチングさせるプラットフォームを活用することも有効です。

また、事業を買ってくれる企業を探してM&Aをするという方法も良いでしょう。

この場合、M&A支援会社や、事業承継サービスの会社のサポートを受けつつ、事業承継やM&Aを進めます。

また、全ての業務をM&A支援会社や事業承継サービスに任せずに事業承継を進めていきたい場合は、事業承継に詳しい人材を活用することが効果的です。

事業引継ぎ支援センターを利用する

事業引き継ぎ支援センターは、東京都が運営する事業引き継ぎのサポートを行っている公的機関です。

国が運営する事業のため、安心して相談できるのがメリットです。

また、公的機関なので相談が無料であるため、活用するのも良いでしょう。

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まとめ

現在の日本は、少子化などの原因により、後継者不足に陥っている中小企業もあります。

また、身の回りで後継者を探しても、なかなか見つからないという場合も多いのではないでしょうか。

このような場合には、事業承継サービスを利用して全国から後継者を募集したり、外部の人材紹介サービスを利用して、事業承継の準備をアウトソースすることが有効です。

このような外部の人材紹介サービスは複数存在し、それぞれに特徴があります。

このため、それぞれのサービスの特徴を把握した上で、自社のニーズを満たすことができるのか、比較検討すると良いでしょう。

監修者情報

この記事の監修者
アークワードコンサルティング株式会社
代表取締役 中村 慎也
IT業界
人材業界
どちらにも深い知見を持った私だからこそ、エンジニアの気持ちもエージェントの内部事情も熟知しており、より良いエージェントを厳選してご紹介することができます。
大学卒業後、大手外資系IT企業のシスコシステムズ社に入社。
パートナー企業開発部門を経て、金融業界向けコンサルティングセールス業務に従事。
人材業界のインテリジェンス社(現パーソルキャリア社)にて転職サイト事業の立ち上げ・チ―ムマネジメント等を経験。
その後、ヘッドハンティングされWeb系スタートアップ企業の取締役等を歴任。
2018年にこれまでのIT/Web業界と人材業界での知見と実務経験を元に
Webコンサルティングやメディアを運営するアークワードコンサルティング社を創業。

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