介護業界のICT化とは?導入事例やメリット・活用法まで解説

最終更新日 2023/11/17

現在では様々な分野で勧められているICT化ですが、介護業界もまた例外ではありません。

厚生労働省が進めており、恩恵が大きいことからも注目されている介護業界のICT化ですがICTについてあまりよくわかっていない人も多いのではないでしょうか。

そこで、本記事では、介護業界におけるICT化について、メリットやデメリット、活用事例などの側面から解説します。

ICT化を進めるにあたって、情報は欠かせないものとなっているため、是非参考にしてみてください。

介護業界のICT化とは

ICT(Information and Communication Technology)は、一般的に情報通信技術と翻訳され、コミュニケーションに焦点を当てながらも、情報処理技術をどのように活用するかというような広義の意味合いで使われることが多いです。

生産性の向上や課題の解決の手段として、現在では様々な領域においてICT化が進められていて、介護業界もまたICTの活用が期待されています。

介護業界におけるICT化としては、介護のリモート化や、ロボット化のように、技術による負担の軽減や不足する人材問題の解決の面で貢献し、少子高齢化がこれからも続くことからも、将来的にも発展する分野だと考えられます。

IoT・ITとの違い

ICTに似た言葉として、IoTやITなどが挙げられます。

意味や使われる場面が多いことから混同されることが多いこれらの単語ですが、厳密には意味が異なるため、以下にまとめます。

用語の原形 用語の一般訳 用語の意味
IT Information Technology 情報技術 情報を扱う技術の総称。
ハードウェア・ソフトウェア・セキュリティ・ネットワークなどあらゆる技術を含む。
ICT Information and Communication Technology 情報通信技術 ITの中の一部分。
コミュニケーション重視。他にも技術の活用方法などの意味を含む。
IoT Internet of Things モノのインターネット ICTの中の一部分。
あらゆるモノがインターネットでつながる仕組み。

介護業界でICTを導入するメリット

スタッフの負担が軽減する

現在の介護業界では、人手不足が深刻になっているため、スタッフ1人あたりの負担も大きいものとなっています。

そこで、ICT化を行い、スタッフの負担を軽減することが期待されています。

負担が軽減される理由としては、業務のオートメーション化を行うことで効率が向上するためです。

特に、事務作業の負担を軽減できる点の恩恵が大きく、現場での介護サービスが主な業務内容である場合が多いため、余分な仕事が解消されることで、サービスの向上にも貢献するでしょう。

各施設とのデータ連携ができる

介護業務は、介護の仕事だけで成り立っているわけではなく、病院や介護事業所など様々な分野と連携する必要があります。

そこで、ICTを導入することで、様々な外部施設とのデータの連携ができるようになります。

従来の方法でも、紙媒体を使うことでデータの共有自体はできましたが、毎回印刷やファックスの送信、手渡しなどを行うことは非効率的でした。

また情報漏洩のリスクも伴います。

ICT化をすることで、必要な情報について連携施設とリアルタイムで情報共有が行えるため、効率化を図ることが可能です。

サービスの品質の向上する

ICT化を進めることで、データを効率的に取り扱えるようになり、介護サービスの品質を向上することができます。

また、データを取得する技術と併せて使うことで、介護に携われない時間の間も、体温や血圧、体重などのデータを自動で取得して活用できるようになります。

介護業界でICTの導入で直面するデメリット

導入コストがかかる

ICTを導入しようと思った場合、導入コストが必要になります。

なぜなら、デジタルデバイスやソフトウェアなど、様々なものを購入する必要があり、場合によってはデバイスがパフォーマンスを発揮できる環境の構築なども必要になるためです。

近年では、自治体などによってICTの補助制度なども存在しているため、これらを上手く活用することでコストを抑えることができるでしょう。

ただし、制度があるとはいえコストが大きいことには変わりないため、事前に予算と費用を見積もっておくことが重要です。

介護職員への教育が必要

ICTを導入した後は、介護職員にICTの使い方について教育をすることが必要です。

高齢の方など、パソコンやタブレットなどのデジタルデバイスに不慣れな人や、従来の方法に長く慣れ親しんだ人などであれば、ICT化に抵抗を感じる人も多く、ICTの技術に慣れるまでに時間がかかることが難点です。

また、これによって一時的に効率が下がってしまうことも考えられます。

情報漏洩のリスクがある

ICT化を行うにあたって、インターネットの利用が欠かせない場合がほとんどです。

そのため、誰でも見ることができるインターネットに接続することで、情報漏洩などのリスクが考えられます。

特に、インターネットに慣れ親しんでない人は、インターネット上での注意事項などを把握していない場合も多いです。

そのため、利用者への教育とセキュリティ対策を同時に進めることが大切です。

介護業界のICT化を成功させるポイント

人材を事前に確保する

ICTを活用するのは現場の介護職員であり、導入したとしても職員の方々が利用できなければ無駄になってしまいます。

そこで、あらかじめ現場にICTを推進する、技術に関する知識が深い人材を確保し、配置することで、現場主体でICT化を進めることが重要になります。

導入のためにコストを使い、結果的に使われない場合が一番の損失となるため、現場の声を聞いて調整しながら導入を進めるようにしましょう。

他事業所の成功事例を参考にする

すでにICT化を進め、成功した事例を参考にすることも効果的です。

機器の選び方や活用の仕方、介護職員の教育方法、ICTの導入に対してネガティブなイメージを持っている介護職員の説得方法など、様々な点について学べることが期待できます。

また、反対に失敗事例も参考にすることで、リスクの回避や問題点の改善に役立てることができるでしょう。

いずれにしても、いきなりICTの導入を進めるのではなく、事前に知識を付けて、必要性について検討しながらICT化を行うことが重要です。

補助金を活用する

厚生労働省は、介護現場のICT化を進めるために、「ICT導入支援事業」というものを実施しています。

ICT導入支援事業とは、厚生労働省がICT導入にかかる費用の一部を補助金として支援してくれる制度となっていて、補助金を活用することでコストを抑えて導入することが期待できます。

補助の対象となる機器や条件などは定期的に変更されているため、厚生労働省のホームページから確認することをオススメします。

参考URL:厚生労働省│介護分野におけるI CTの活用について

介護業界のICT活用事例

利用者の見守りとデータ活用

ICTの活用事例として、利用者の見守りが挙げられます。

介護現場では、スタッフが利用者の様子を確認していますが、他の作業と平行して確認を行うことは負担が大きいですし、常時確認することは不可能です。

そこで、センサーを用いて状態を自動で記録することで、スタッフの負担が軽減され、従来よりも多くのデータを入手することができるため、データの活用によりサービスの向上にも繋がります。

書類や記録の管理

これまでは紙媒体で記録していた書類や、勤怠管理、給与明細などをデジタル化することで、介護以外の業務の負担を減らすことができます。

書類作成や印刷など、介護に関わらない必須業務は、スタッフの負担増加に繋がります。

したがって、事務作業を簡略化することによって、介護に集中することが可能です。

さらに、時間外労働の是正など、労働状況の改善にも貢献するでしょう。

排泄の予知等のサポートシステム

介護の業務内容には排泄の介助も含まれますが、排泄のタイミングは人によって異なるためサポートが困難な業務とされています。

そこで、排泄予知のサポートシステムが活躍します。

排泄予知器具を使うことで排泄のタイミングを予測して、通知を受けたり、排泄ケアに関する引き継ぎ業務を簡略化したりと、業務に大きく貢献します。

また、スタッフ間でデータを共有できるものもあり、より質の高い介護を行うことができるようになるでしょう。

厚生労働省の「ICTの利用促進」

厚生労働省は、介護現場におけるICT化を進めるために様々な施策を実施しています。

例としては、「介護事業所におけるICTの導入・普及セミナー」や「ICT導入支援事業」、「ICT導入・活用のための参考資料」「介護現場における情報連携の促進」「調査研究」などが挙げられます。

特に注目するべきなのは、先ほども紹介したICT導入支援事業についてで、支援金を受け取ることができるためICT化のハードルを下げることができます。

また、他のものに関しても、ICT化を進めるために必要な情報がまとめられているので参考にしてみると良いでしょう。

参考URL:厚生労働省│介護現場におけるICTの利用促進

まとめ

本記事では、介護業界のICT化とは何かから、介護業界のICT化のメリット・デメリットや介護業界のICT化を成功させるポイント、介護業界のICT活用事例について解説しました。

厚生労働省が様々な施策を行っていることもあり、用意されたコンテンツを用いてICTに関する知識について学びながら、制度を活用することがICT化を進めるうえで効果的です。

ICT化には導入コストや導入後の取り扱いなど、様々なハードルが存在しますが、これからも必要性は高まると考えられているので、是非本記事の情報を活用してICT化を進めてください。

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