テレワークの課題とは?解決するためのツールと方法を徹底解説!

最終更新日 2023/11/15

テレワークを導入する企業が増加し、さまざまな問題点や課題が出ています。

一方で、テレワークをうまく導入し、成功している企業があるのも事実です。

これらは業態の違い、会社の文化の違いなどの要因もありますが、「テレワークの課題を適切に把握し、解決策を打ち出しているか」という違いが大きいです。

今回は、テレワークを導入しているもののうまくいかない、テレワークをこれから導入しようと思っている、といった企業の方向けに、テレワークの現状と課題、解決策と成功事例をお伝えします。

テレワークの現状とは?

まずは、テレワークの現状について解説します。

テレワークは、新型コロナウイルスの拡大に伴う「新しい生活様式」の一つとして社会全体に定着しつつあります。

総務省発表の「テレワークの最新動向と総務省の政策展開」によると、新型コロナウイルスが急拡大した2020年3月以降、企業のテレワーク実施率は17.6%から、56.4%へと上昇しています。

このうち、大企業は33.7%から83%と8割以上がテレワークに切り替えており、中小企業も14.1%から51.2%と、半数以上に上昇しています。

一方で、緊急事態宣言後はテレワークの実施をとりやめた企業がそのうちの半数以上に上っており、企業上層部がテレワークに関してさまざまな問題点や課題を感じていることの表れであるといえます。

就業者のテレワーク率も、2020年5月時点の27.7%から12月は21.7%まで減少しており、特に地方で現象が顕著になっています。

また、減少の理由として「職場の方針の変化」「職場の雰囲気の変化」が挙げられており、明確にテレワークをとりやめた企業だけでなく、会社全体の雰囲気として出社を促すような企業が多いと考えられます。

参考:総務省 テレワークの最新動向と総務省の政策展開

テレワークの12の課題とは

「テレワークの最新動向と総務省の政策展開」でわかるように企業の多くが一度実施したテレワークをとりやめていることから、多くの企業がテレワークに関する課題を感じているといえます。

以下で、テレワークで直面しやすい12の課題を紹介します。生産性・セキュリティ面・運用面・労務管理など多方面に課題があるのが現状です。

コミュニケーションが不足する

テレワークの課題としてもっとも議論に上がりやすい課題が、「コミュニケーションの不足」です。

実際にオフィスで働く状況であれば、朝の挨拶や昼休憩でのランチ、業務の合間の何気ない雑談など、コミュニケーションの場は多数あります。

こうした場でコミュニケーションの基盤が築かれることで、業務上のコミュニケーションもスムーズになるというメリットがあります。

また、社員としてはこうしたコミュニケーションが業務のストレス発散になることも多いです。

さらにはこうした雑談コミュニケーションから仕事のアイディアに繋がることも多いため、イノベーションの源泉になるというメリットもあります。

一方、テレワークになった場合は、こうした隙間時間や休憩時間のコミュニケーションが一切なくなってしまうため、どうしても社員同士の相互理解が不足し、業務上のコミュニケーションに支障が出てしまうという課題もあります。

また、社員によっては全く他の社員と雑談ができないことでストレスが溜まる要因になることも多いです。

不公平感が生まれる

一つの会社であっても、社員全員がテレワークが可能な状況というのを作るのはなかなか難しいです。

なぜなら、「出社をしないと成り立たない仕事」というものがどうしてもあるからです。

例えば契約の捺印を押す経営管理部、リアルイベントの発送などを担当する部署などが該当します。

こうした部署に所属している社員は、業務内容上会社全体でテレワークが認められていたとしても出社をしなければなりません。

このため、一部の社員はテレワークができる一方で一部の社員はできない、という不公平な状態が生まれてしまうという課題があります。

テレワークに向かない業務がある

テレワークでないといけない業務の他にも、「テレワークに向かない」業務があるのも事実です。

例えば、一人で作業することの多いエンジニアはテレワークに向いている一方で、ホワイトボードを使いながら議論をすることが多いような企画職は、テレワークだと思うように議論を進めることができなくなってしまいます。

オンラインでのやりとりだとあくまでPCソフトを共有しながら文字を打ち込むことしかできず、気軽にアイディアを書いたり消したり、といった作業がしづらいからです。

このように、テレワークに比較的向いている業務と、向かない業務があることで、全社的に方針を定めづらいという状況が生まれてしまいます。

生産性が低下する

上記のようなテレワークに向かない業務を無理やりテレワークで実施した場合、生産性が低下してしまうというデメリットがあります。

また、業務内容自体はテレワークに向いているものであっても、コミュニケーションの不足による社員のモチベーション低下、精神状態の悪化などで生産性が低下する可能性は十分にあります。

人事評価が難しい

各社員がテレワークで仕事をしている場合、の社員を評価する管理職が直接社員の仕事ぶりを見ることができません。

このため、例えば難しい課題に対して周囲の社員に意見を聴きながら献身的に進めている、といった社員がいた場合、出社時であれば様々な人のデスクに足を運んでいる様子が見られる一方で、テレワークだとその動向を把握することができません。

このため、管理職としても社員の努力過程を評価することが難しく、定量的な結果のみで評価をせざるを得なくなってしまうという課題があります。

もちろん定量的な結果で評価が可能な部署であれば問題は少ないものの、定量的に評価が難しいバックオフィス系の職種や、短期的に成果の出づらい長期的なプロジェクトに取り組んでいる社員などが評価されづらくなってしまうという課題があります。

オンオフの自己管理が難しい

テレワークの場合、くつろぐ場所である家と、仕事場のデスクが同じ空間にあるということになります。

このため、隙間時間に家事などをこなしながら仕事ができるというメリットがある一方で、どうしてもオンオフの自己管理が難しく、生産性の低下や長時間労働が起こりやすくなるという課題があります。

セキュリティの問題がある

テレワークの場合、各社員が仕事用のパソコンやケータイを家に持ち込んで仕事をすることになります。

このため、PCの紛失リスクやそれに伴う情報漏洩リスクが非常に高くなってしまいます。

こうしたセキュリティの問題もテレワークの課題の一つです。

コストがかかる

テレワークの場合、社員が問題なく仕事ができる環境を整えるため、セキュリティシステムの導入やテレワーク環境の導入支援など、様々なコストがかかります。

労災認定が難しい

テレワークの場合、仕事とプライベートの境目がつきづらくなり、実態の労働時間を適切に把握しづらいという状況があります。

このため、社員に何かしらのトラブルが生じても、労災認定がされづらくなってしまうという問題が生じます。

運動不足になる

会社に通勤する場合、通勤用の服やスーツへの着替え、電車や徒歩での通勤など、毎日体を動かす機会があります。

一方でテレワークの場合、社員は仕事をするのに家から一歩も出る必要がなく、1日にデスクとトイレとベッドの間しか移動をしないといった状況が生まれます。

このため、社員全体として運動不足になり、健康問題や生産性の低下につながります。

商談機会が減少する

営業職など、対面でのコミュニケーションを重視する職種は、そうした対面での商談機会、接待の機会が少なくなってしまうことで、思うように成果が上がらなくなってしまうという課題があります。

ペーパーレス化に問題がある

テレワークを導入しても、結局会社全体としてペーパーレス化が進んでおらず、一部の社員が出社しなければならなくなってしまったり、業務が思うように回らなくなってしまうという課題があります。

こうした企業は、テレワーク前にまずはペーパーレス化を推進することが不可欠です。

テレワークの課題を解決する5つの方法

続いて、テレワークの課題を解決する5つの方法を紹介します。

コミュニケーションツールの導入

まずは、コミュニケーションツールの導入です。

Web会議システム

Zoom、Google MeetなどのWeb会議システムを導入することで、スムーズに会議を進行できるようになります。

ビジネスチャットツール

slack、chatworkなどのビジネスチャットツールを導入することで、目的に合わせたコミュニケーションをスムーズに行えます。一部ショートWeb会議のシステムがついていることもあり、気軽に情報共有ができます。

グループウェア

業務効率化のツールを導入することで、部署全体で仕事の内容を共有することが可能です。

オンライン商談ツール

Web会議システムの中には、商談に特化したオンライン商談ツールも存在します。営業の多い会社は、こうしたツールを活用するのも一つの手です。

クラウドサービスの利用

続いて、クラウドサービスの利用です。

勤怠管理ツール

PCログベースで勤怠を把握するツールを導入することで、労働時間の可視化が可能になります。

プロジェクト管理ツール

プロジェクト管理ツールを使うことで、プロジェクトメンバー全員がシームレスに状況を把握することが可能になります。

ファイルストレージ

オンラインで資料を共有できるファイルストレージを導入することで、情報のやりとりがスムーズになります。

ペーパーレス化ツール

ペーパーレス化ツールを活用することで、テレワークができない職種をなくし、不公平感を減らすことができます。

セキュリティを強化

セキュリティツールの導入やVPN回線の使用、通信の暗号化など、社員が家で仕事をしてもリスクの少ない体制を構築することも重要です。

運用ルールの見直し

テレワークが円滑に回るよう、「タスクのメモをツールに残す」「仕事の依頼や相談は全員が入っているチャットで行う」など、業務の可視化と効率化に関するルールを整備することも重要です。

補助金の利用

社員がテレワーク環境を構築できるよう、通勤手当の代わりにテレワーク手当を支給するのもよいでしょう


中小企業であれば、政府のテレワーク補助金を利用することもできます。

テレワーク導入の成功事例

最後にテレワーク導入の成功事例を紹介します。

岩井コスモ証券株式会社

岩井コスモ証券株式会社は、幹部が率先してテレワークを活用し「テレワークを活用してもよい」「テレワークは便利」という企業風土を醸成させたこと、ICTセキュリティツールをしっかりと運用したことによって、テレワークへの円滑な移行を成功させています。

株式会社オリエントコーポレーション

本人認証システムを導入してセキュリティ面を担保するとともに、テレワーク時は残業禁止」として生産性の低下を防いだことでテレワークを成功させています。

住友商事株式会社

住友商事は、新型コロナウイルスが蔓延するよりも以前から働き方改革の一貫としてテレワークを推進しており、国内単体勤務者の4000人を対象にテレワークの導入を成功させています。

参考:総務省 テレワークの最新動向と総務省の政策展開 

まとめ

テレワークは「新しい生活様式」の一つとして急速に普及していますが、コミュニケーションの低下をはじめまだまだ課題も多く、正解もない状況です。

こうした状況の中、テレワークを一概に否定するのではなく、会社ごとにテレワークの課題をしっかりと捉え、セキュリティツールの導入や働き方のルール制定など、個別の解決策をしっかりと導入していくことが大切です。

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